コロナ禍が原因で、またもやフィリピンの年中行事がひとつ、取り止めになってしまいました。この時期の行事というと、最近の日本人はハロウィンかと早合点しそうですが、フィリピンの人々には、それよりもっと大切な行事、万聖節(11/1)〜万霊節(11/2)のお墓参りです。
このブログで、毎年のように書いている万聖節(All Saints Day)。万聖節は少々古めかしい呼称で、今では「諸聖人の日」と和訳されているこの日の宵祭が、ハロウィン。日本ではすっかり、仮装して騒ぐ日として定着しちゃったハロウィンが添え物で、翌日がメインの祭日なんですよね。
祭日と言っても、フィリピンでは日本の盂蘭盆会に相当する行事。亡くなった人の魂が家族の元に帰る日とされ、万聖節と万霊節だけは、日頃の歌って踊っての騒ぎは鳴りを潜めて、親族一同が、静かにお墓の前で一夜を過ごします。
このために、わざわざ遠方から里帰りする人も多く、例年、交通機関も墓地も、たくさんの人出がある季節。いまだコロナ禍の真っ只中にあるフィリピンでは、やっぱりこれはマズい。案の定、大統領からのお達しで、今年の万聖節前後は、全国の墓地が閉鎖されることとなりました。
それでも家族の結びつきが強いフィリピンの国民性。まぁ日本人の私からすると、生きてる時も死んでからも、ちょっとベタベタし過ぎじゃないかと思うぐらい。墓の前で死者のバースデーパーティしたりする。なので、閉鎖される前に、前倒しのお墓参りをするのは仕方がないところ。
私も、家内やその親戚と一緒に、先日の日曜日、接近中の18号台風クィンタ(フィリピン名)の影響で小雨が降る中、義母とその弟が埋葬された墓場へ行ってきました。
本来なら、食事や飲み物を持ち込んで、深夜のピクニックになるのですが、夜間はゲートが閉まるので、昼間だけ。天候のこともあって、ほんの30分ほどで早々に引き上げました。
ただ、考えることはみなさん同じで、早めのお墓参りに訪れる人たちもいました。もちろん、例年とは違って、屋台や出店もなく、人の数はまばらな感じ。実に寂しい限り。
さて、私が住むネグロス島の地方都市、人口12万人のシライ市。一時期に比べると、陽性患者はかなり減ったようです。半年前のようなガチガチの都市封鎖はなくなって、未成年者と高齢者以外は、ほぼ自由に動ける状況。
とは言え、クリスマスのミサには与れそうにないし、パーティも無理。聞くところによると、1月にマニラで行われるブラックナザレの祝祭は、結局中止になったそうで、この調子では、4月のイースターも危ない感じ。
さすがにその頃には、ワクチンが開発されているかも知れませんが、赤十字への支払いが滞って、PCR検査を停止されているような状況なので、フィリピンにワクチンが供給されるのは、何ヶ月も遅れると思われます。
まだまだ先は長い。
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