2020年10月29日木曜日

「おっちゃん・おばちゃん」をイロンゴ語で

最近あんまり、イロンゴ語(西ネグロスの方言)について、ブログでは取り上げてませんが、ちゃ〜んと勉強してますよ。

この6月から、私のイロンゴ語の家庭教師を務めてくれている、アン嬢。本職は高校の英語教師で、オンライン授業やら、オンラインに参加できない生徒のための紙に印刷した宿題やら、コロナ前より多忙な中、毎週のレッスンの準備を欠かさないのがエラい。

この頃は、土曜が勤務日なので、毎週水曜日の午後に2時間、我が家に来てもらってます。授業料は1回400ペソ(約1,000弱)。平均すると一月に4,000円ぐらい。日本の感覚からすると、安過ぎると思われるかもしれませんが、高校教師の月給が30,000円ちょっとで、田舎のお母さんに仕送りしているアンとしては、そこそこ家計の助けになってると思います。

それにしても、毎回飽きないように、いろいろと工夫をしてくれるアン。おそらく、地元の小学生向けのマザータング(母語)用の教材なんでしょうね。塗り絵やらパズルやら、ユーチューブに投稿されたイロンゴ語のショートプラグムやらを織り交ぜてのレッスン。

先日のテーマは、家族や親戚の呼び方。父母・祖父母・兄弟姉妹・伯父伯母・叔父叔母・従兄弟姉妹...を、イロンゴ語で何と言うか。前回、私がアンにお願いした内容。

フィリピンに住んでいる人は、よくご存知の通り、兄弟姉妹が6人や8人ぐらいは、さほど珍しくないこの国。特に経済的に余裕がない層や地方で、子沢山の傾向が強く、少し前に投稿したように、我が家のメイド、ライラは12人の下から2番目。

さらに、祖父母やおじ・おば、いとこと同居している大家族も多くて、それぞれの呼称を覚えておくと、ネグロスでの親戚や友達との会話で重宝します。

さすがに、移住して8年目なので、兄貴がクーヤ(Kuya)/マノン(Manon)で、お姉ちゃんがアテ(Ate)/マナン(Manan)、おじさんがティト(Tito)で、おばさんがティタ(Tita)、ぐらいは分かります。私自身がマノン・フランシス(私のカトリックの洗礼名がフランシスコ・ザビエル)とか、ティト・フランシスと呼ばれてますから。

お父さんがタタイ、お母さんがナナイ。そしてお祖父ちゃんがロロ(Lolo)で、お祖母ちゃんはロラ(Lola)。ちょっとフォーマルな言い方の兄弟姉妹は、性別関係なくウトッド(Utod)。兄・姉には、マグラン(Magulang)が付いて、マグラン・ンガ・ウトッド(Magulang nga utod)。弟・妹は、マングフッド・ンガ・ウトッド(Manghod nga utod)になります。

日本語の長男・長女や末っ子を意味する言葉もあって、長子はスバン(Subang)、末っ子がアゴット(Agot)。ただ、次男次女のような、兄弟姉妹の順番までは、あまり気にしないのか、特定の呼称はないようですね。

いとこはパカイサ(Pakaisa)、甥・姪はヒナブロス(Hinablos)。ここら辺までは、日本語でも英語でも、普通に使うとして、さすがフィリピンと思ったのは、義理親同士、つまり私の両親と家内の両親の間柄にも、バライー(Bala-e)という呼称があること。

そして、日本語でのまたいとこ(はとこ)は、イロンゴ語でパカドゥハ(Pakaduha)で、さらにその子供同士が、パカタトロ(Pakatatolo)。最近の日本だと、いとこぐらいなら、比較的頻繁な交流はあっても、その子供同士になると「遠い親戚」になってしまって、滅多に会わないし、名前も知らなかったり。またいとこの子供に及んでは、呼び方すら見当たりません。

ところが、フィリピンでは冠婚葬祭以外でも、誕生日とかクリスマスパーティなどで、やたらこのレベルまで顔を合わせることも。特にネグロスのような地方だと、またいとこぐらいなら、かなり近くに住んでるですよ。なんだか、金田一耕助の映画に出てくる、戦前の日本の田舎みたい。

笑ってしまったのが、おじさん・おばさんのカジュアルな呼び方のティヨ・ティヤ(Tiyo / Tiya)。これは、「おっちゃん」「おばちゃん」みたいな響きになるらしい。ティト・ティタ(敢えて対比して訳すと「おじさま」「おばさま」?)が、都会っぽく洗練されて聴こえて、ティヨ・ティヤは田舎もんの言葉使いというイメージ。もっとぶっちゃけて言うと、金持ちと貧乏人の違い。

なのでアンは、友達の前で甥っ子や姪っ子から「ティヤ!」と大声で呼ばれたりすると、恥ずかしいそうです。確かに、もし私が、梅田のお高いホテルのロビーとかで、「おっちゃん!」と言われたら、ちょっと恥ずかしいかも。


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