2020年10月9日金曜日

受難の9月・我が家のメイド


 もう10月も半ばに差し掛かかるので、少々旧聞で申し訳ないことながら、先月の9月、我が家のメイド、ライラおばさんが出勤したのは、たったの二日間でした。

これはフィリピンでありがちな、突然これと言った理由もなくバックレた...のではありません。中近東でのOFW(海外フィリピン人労働者)の経験があり、年齢的にも安定感のあるライラ。日頃の働きっぷりは素晴らしくて、特に指示をしなくても、家中がいつも清潔。

時間があれば、ざっと100平米はある庭を、隅から隅まで掃き清めてくれるし、最近は私が買い物のメモに書き漏らした食材も、気を利かせて買って来てくれる。もう雇って、かれこれ2年以上ですからね。ところが、9月は悪いことが重なりました。

まずは、8月末から始まった、西ネグロス州全体の封鎖(ロックダウン)。これは四日間だけでしたが、その間にライラのご近所さんが、検査の結果コロナ陽性と判明。ライラの家を含む周辺の世帯がまとめて2週間の隔離措置の憂き目に。

それがようやく終わった月曜日、やっと出て来たを思ったら、掃除中に指を怪我して、それが化膿。そのままその週は全休となってしまいました。ここまでは、以前にこのブログで投稿した通り。(自宅隔離の連鎖

その週明けの月曜日。今度は、朝から嫌ぁ〜な感じの咳が止まらないライラ。この時期、ネグロス島では、ほぼ全島を覆うサトウキビ畑の刈り取りが終わり、焼畑作業が始まります。実はライラ、どうやらこの煙にアレルギーがあるらしい。

去年の今頃も、咳がひどくて一週間の欠勤。ピンチヒッターでライラの近所に住むという女の子が来てました。この子がまだ二十歳なのに3歳の子供を同伴。仕事の合間に、リビングで授乳して、しかもおっぱい出したまま居眠り。強烈な印象が残ってます。(おっぱいポロリのメイドさん

結局ライラは、翌日の火曜日からまたもや欠勤で、残念ながら今年は、助っ人も無し。

ということで、9月は出勤日数が二日のみとなってしまった次第。当然ながらその間、掃除・洗濯・炊事は、全部自分たちでやりました。こうなると、しわ寄せが来るのが掃除。最近は私がゲストハウスに住んでいるので、ただでさえ3人家族には無駄に広い居住面積が5割増。どうしても手薄になる部屋がいくつかあります。庭なんて、ほとんど放ったらかし。

もちろん、私たち以上に困ったのはライラでしょう。二人いる息子さんのお兄さんは、もう親元を離れていても、下の子が食べ盛りの中学生。しかも旦那さんとはずいぶん前から別居状態で、80代のお母さんの面倒まで見ているとのこと。

住み込みではなく、通いメイドのライラなので、働いた日数に応じて、毎週水曜日に支払っていて、9月の給与は1,000円にも届かない。物価の安いネグロス島でも、これはいくらなんでも厳しい。そういう状況だったので、今週は、月曜日から金曜日までフル出勤してくれて、私もホッとしています。

ちなみに、本日(10月9日)付けのCNN日本版の記事によると、今回のコロナ禍の影響で、全世界の極貧層が、1億5千万人も増える見通しだと、世界銀行が発表したそうです。1日当たり、1.9米ドル(約200円)未満での生活を強いられている層を、「極貧」と定義しているので、フィリピンで言うと、だいたい1日100ペソ未満。月にすると3,000ペソ未満。

ネグロスでは、3,000ペソぐらいの収入で家族を養ってる人は、少なくないでしょうね。ライラには、それよりは多く払ってるし、土曜日には洗濯屋さんのアルバイトもあって、極貧ではありません。ただ、雇い主の収入が減って、クビになっちゃうメイドさんもいるでしょうから、確かに極貧に転落する人はかなりの数になると、容易に想像できます。

さて、久しぶりに5日連続で働いたライラ。今日の退勤時には、ずいぶんくたびれた様子。この土日は、ゆっくり休んで、来週もよろしくお願いしますね。



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