2018年7月29日日曜日
エホバの証人
日本でもわりと有名な「エホバの証人」。1870年代、アメリカでチャールズ・テイズ・ラッセルという人物によって設立され、現在全世界での伝道者数は820万人にのぼり、そのうち日本では21万人を超える信者がいるとのこと。日本のカトリック信徒数は44万人余りなので、決してマイナーな存在ではありません。
何と言ってもこの教団を有名にしたのは、輸血を拒む教義。信者を両親に持つ子供が、この輸血拒否のために亡くなったことから、エホバの証人を一種のカルトだと思う人もいるでしょう。
また、カトリックや正教会(オーソドックス)など、キリスト教主流の基本教義である三位一体を否定し、敵対的な姿勢を取っていることもあって、2008年のローマ教皇庁からの見解では、名指しで、宗教間の対話に困難をもたらす宗派とされたり。
フィリピンにも一定数の信者はいて、ネグロス島シライの我が家のすぐ近くにも、小さいながら王国会館(教会)が最近建てられ、それなりに人も集まっているようです。ちなみにフィリピンでは、こうした非カトリック系のキリスト教会は多く、その最大のものはフィリピン発祥のイグレシア・ニ・クリスト。
どうして唐突にエホバの証人の話を始めたかと言いますと、実は今日(2018/7/29)、事前のアポなしに、その信者の人たちが我が家にやって来たんですよ。しかも日本人夫婦。
たまたま家内と子供は、バコロドのロビンソンズ(ショッピングモール)に出かけていて、私一人が留守番中。お昼前に玄関先で「ごめんください」と日本語が聴こえたで驚きました。
このブログを読んで、わざわざ来てくれる人もいて、最初はそっちかと思ったら、そうではありません。日本から来て布教活動をしている二人。同じサブ・ディビジョンにある日本人経営の英語学校を訪問した時、ゲートにいる警備員に他にも日本人が住んでいると聞いたんだそうです。
これだけだと、かなり怖い話ですが、訪ねてきた二人は身なりも話しぶりも至って真面目で、むしろ好感が持てる雰囲気。年齢は30代の前半ぐらい。州都のバコロドに住んでいるんだそうです。夫婦共日本人の若いカップルは、観光客でもない限りとても珍しいネグロス島。
最初にエホバの証人の信者だと言われ、それに対して、自分はカトリックですよと告げたものの、険悪な態度になるわけでもなく、普通に外国の街で出会った日本人同士みたいな会話になりました。布教活動とは言え、わざわざ来てもらった同胞を無下に追い返すのも気が引けて、よかったらコーヒーでもと、同行していた助手らしきフィリピン人青年と一緒に、家に上がってもらうことに。
カトリックである私の、他宗教・他宗派への基本スタンスは「人様の信じているものは、たとえ理解できなくても最大限尊重する」。
とエエ格好しても、正直なところ、冒頭に書いたように、私自身エホバの証人には、あまりいい印象はなかった。まったく無警戒だったと言うと嘘になります。ところが、同行したフィリピン青年も含めて、とても礼儀正しく、押し付けがましいところは微塵も感じられない。
私がカトリック信徒だからかも知れないけれど、教義の話を持ち出すわけでもないし、カトリックへの批判も皆無。話題は、ネグロスでの暮らしぶりなどに終始しました。えっと思ったのは、旦那さんの方が、日比のハーフだと言われた時ぐらい。
つくづく思うのは、所属する集団や肩書き、国籍や民族で、人を色眼鏡で見てはいけないなぁということ。もし最初に、エホバの証人の信者だからとの理由で追い返していたら、その後の会話はなかったし、お互いに悪い印象を残しただけに。
むろん、エホバの証人の信者さんが、一人残らず好人物というわけでもないと思います。聞くところによると、ずいぶん執拗な勧誘をするケースもあるんだとか。でもそれはカトリックにも、尊敬すべき方もいれば、ロクデナシもいるのと同様。やっぱり人を判断するのは、その属性ではなく、その人自身を見ることに尽きると、改めて実感の日曜日でした。
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最近 マカティでもエホバの証人の日本人5人が僕に寄ってきました。僕はもちろんカトリックだと言って断りました。
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