2018年7月10日火曜日

洪水で広がるレプトスピラ症

2週間ほど前に、マニラでは洪水が多く、悪臭を放つ河川や下水からの水が溢れてくるという投稿をしたら、その汚水から広がる病気の感染拡大情報が、在マニラの日本大使館からメールで送られて来ました。

レプトスピラ症という感染症、私は初めて聞く名前。
ネズミ、犬や猫の、フィリピンではあらゆる場所にいる動物に寄宿する、病原性レプトスピラ(細菌)が、尿中に排出され、それに触れたり、汚染された飲食物を口にしたことにより、人間に感染するというもの。

東南アジア諸国、特にタイでは、7〜10月の雨の多い季節を中心に、数千人規模の患者が出ている。そして今年の雨季、フィリピン保健省がマニラ首都圏などでの、感染拡大を宣言したというわけです。

症状は、風邪・頭痛・腹痛などの風邪に似たものから、重症だと黄疸や出血を伴う「ワイル病」(黄疸出血性レプストピラ)となって、死に至ることも。

読むだけで、いかにもヤバそうだし、熱帯特有の恐ろしい病気だと思ったら、実は40年ほど前まで、日本でも年間50人以上の死者が。古くは「秋疫(あきやみ)」「七日熱(なぬかやみ)」「用水病」と呼ばれ、今でも下水道工事従事者や、畜産関係者の職業病なんだとか。全然知りませんでした。

普通に考えて、洪水に浸かったりしたら、体に良くないのは当たり前だとは思ってましたが、やっぱり相当危険なことになるんですね。マニラに比べれば、ここシライはそれほど洪水は多くないけれど、自宅前の道路に、たまにくるぶしぐらいまで水が来ることもある。

ネズミもいるし、ヤギや水牛もいる。犬・猫なんて、ひょっとすると人間より多いんじゃないかというぐらい。これは本当に気をつけないと。

そう言えば、我が家の新しいメイドのライラおばさん。料理の手伝いで野菜のカットを頼んだら、キャベツでも白菜でも、すごく念入りに洗います。もちろん私もやりますが、そこまで一生懸命にはしないというぐらい。

メイドさんだけではなく、家内にしても、買って来たバナナや卵を洗剤で洗ってるなぁ。やっぱり熱帯のフィリピンで生まれ育つと、そんな習慣は、小さい時から叩き込まれるものらしい。実際に、感染症で亡くなる乳幼児が多いですからね。

【追記】
レプトスピラを知ってるかとライラに訊いたら、旦那さんが子供の頃、従兄弟が犬からの感染で亡くなったんだそうです。恐ろしい...。


1 件のコメント:

  1. 私の部下の祖父が、先月、レプトスピラ症に罹患していました。
    その部下の祖父の職業は行商(トロンとかレッチェフランとかそういうお菓子を売る)で、毎日、素足にビーチサンダルを履いて、高校の放課後や仕事終わりを見計らって市街地へ行き、往復で8~10km程度の距離を歩いています。
    ある日、いつものように歩いていたら、ガラスの破片で足の裏を切ってしまいました。
    子どものころから切り傷なんてほったらかしにしているので、今回も帰宅して足を洗って普段と変わらない生活をしていました。
    そして、足を切った日から8日後に高熱が出て、これはマズいと病院に駆け込んだら、レプトスピラ症との診断でした。

    「幼少のころから汚い水なんて、数えきれないほど触っているから、こんな病気になるなんて思わなかった。」

    私がフィリピンへ赴任する前、建設会社を経営している叔父に「用水病に気をつけろ。どんなに暑くても外を歩くときは靴を履け。用水病よりも水虫の方が何万倍もマシだ。」と言われたことを思い出しました。

    先日、部下の祖父は、70歳の誕生日を迎えました。
    私はスニーカーと靴下をプレゼントしました。
    部下曰く、「毎日スニーカーを履いて売り歩いています。でも、素足でスニーカーを履くので靴下を履くように注意しています。」とのことです。

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