2013年12月13日金曜日

停電の夜

こういう言葉の使い方は、英語圏で一般的なのか、それともフィリピン独特なのかは分かりませんが、ここでは小規模な一部地域の停電をブラウン・アウト。全市やそれ以上の広域停電をブラック・アウトと言います。

先日の台風ヨランダの際の場合は、間違いなくブラック・アウトで、これは比較的被害の小さかったシライ市でも二晩続きました。原因がはっきりしていて、仕方がない場合は何となく我慢ができても、まったく意味不明の小規模停電のブラウン・アウトは意外と辛かったりします。


特に夜間、数時間というのは嫌ですね。寝静まった頃だったら、もうどうでもいいんですが、これがまるで夕食時とか、食後パソコンしたりテレビを見ている時を狙ったように真っ暗になる。あのプチッと電気が消えた時のがっかり感は、たまりません。長くても数時間で大抵復旧はするとは言え、暗い中にいると思考まで暗くなるようです。

毎日停電ということはなくても、続く時は結構続きます。今週は五日連続で、今日の夜も八時から九時頃にかけての一時間ほど停電しました。フィリピンの停電というのは、貧富の差をはっきり見えるようにしてくれるので、ある意味では面白いと言えるかも知れません。

昨夜は、夕食の準備にかかる直前に電気が止まり、ガスコンロでご飯を炊く元気がなかったので、家族で外食しました。レストランへ車で向かう途中、金持ちの家、市長とか地主とかの所だけは発電機を備えているので、煌々と電気が灯っている。室内の明かりだけでなく、この季節なのでクリスマスデコレーションまでピカピカ。何だかムカつく光景ではありました。街灯も信号も真っ暗な中、何の役にも立たない無駄な明かり。

停電の夜の風景は、フィリピンの抱える一番の社会的病巣を象徴しているようです。


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