2017年11月18日土曜日
日本女性のフィリピン恋愛事情
日本・フィリピン間の恋愛というと、マニラの水商売女性と、買春目的の日本人男性、特に中高年、というステレオタイプばかり語られて久しい。これは何十年経っても、相対的に貧しい人と比較的余裕のある人の経済差が埋まらない限り、完全になくなることはないでしょう。もう、このブログで書くのも少々飽きてきました。
今日は、手垢の付きまくった、フィリピーナ&日本のオっさんの話題ではなく、日本女性とフィリピン男性の恋愛について。
日本女性とフィリピン男性のカップルというと、私が知っている範囲で一番最初に聞いたのは、「ネグロス・マイラブ」という本の著者、大橋成子さん。日本NGOの現地駐在員としてネグロスに。そして1996年、地元の男性と結婚されました。ネグロス・マイラブは、その経験を元に書かれたノンフィクションです。
この本は、2005年に出版され、ネグロスの名前に惹かれて私も1冊購入。今でも私の手元に。そして改めて確認したら、大橋さんご夫婦が住んでいるというのが、私の自宅と同じ西ネグロス州。しかもサン・エンリケとあるので、車で1時間もあれば行ける場所。とは言え大橋さんとは面識もないし、もう本が出てからだけでも12年なので、今もネグロスにお住まいかどうか、定かではありません。
当時は、本の題材になるほど希少だった日本女性とフィリピン男性の結婚。ところが時代は移り、NGOやボランティア活動、そして英語留学の名目で、90年代に比べると桁違いに多くの若い日本人が、観光以外でフィリピンにやって来るように。しかも数日レベルではなく、数週間から数ヶ月。
こんな状況になれば、男女関係なく、日本人とフィリピン人の接触も増えるし、当然の帰結としてカップルも生まれます。特にボランティアや留学など、海外に積極的に出る若者や学生さんは、日本からの場合、どういうわけか女性の方が多い。我が家を訪れる若い日本人のお客さんも、7〜8割方が女の子。私が選り好みしているわけでもないんですけど。
そしてこれまた当然の帰結として、日本女子とフィリピン男子の、恋人同士や夫婦の数も増える。最近になって、貪欲に男性のパートナーを探している日本女性が、たくさんフィリピンに押しかけているのでもない。単純に全体母数と確率の問題でしょう。
今年になって、私が実際にお会いしたケースだけでも、国際結婚が一人、ただいま恋愛中が二人。どの方もたいへんしっかりしている。いい加減だったり浮ついた感じは微塵もありません。要するに人間として魅力的で、こういう人たちだったら、国籍とは無関係にモテるだろうと思います。
人伝てに聞いたところでは、ネグロスにボーイフレンドができて、日本に帰った後も想いを断ちがたく、休みの度にフィリピン通いをしている女性もいるとか。これは私にも経験があります。男が通うばかりとは限らないんですね。考えてみれば、当たり前のお話。
こう書くと、必ずいるのは「フィリピンの男は怠け者ばかりだから...。」と、したり顔で説教を垂れる日本人。フィリピン女性と結婚してフィリピン暮らしが長い人ほど、こういうことを言いたがる。しかし、物事を現実的に見るのは、日本でもフィリピンでも女性の方がはるかに上手。
私が知っているフィリピンの日本女性たちは、経済的にも精神的にも自立している。将来もちゃんと考えています。そして多くのフィリピン男性は、女性との接し方がよく分かっていて、男が優位に立たなければというような、変な意識やコンプレックスもない。
妻が働いて夫が家事をこなすことにも、日本に比べれば、ほとんど抵抗なし。これは子供の世話も含みます。過大な期待さえしなければ、働く女性が一緒に暮らす相手としては、理想的と言えるかもしれません。(もちろん、これは人に依ります。中にはどうしようもない人がいるのは、日本も同じ)
唯一私がアドバイスするならば、熱々の恋愛感情がずっと続く保証はないので、関係が破綻しても、自分の生活は守れる準備をする、ぐらい。これは、別に日比カップルとか、男女のどちらかに限ったことではないですね。
そういうわけで、50代半ばの私が言うのも矛盾してますが、ここネグロスでも、在留邦人が爺さんやオッさんばかりではなく、少しでも平均年齢が下がって、女性が増えるのは喜ばしい。
そうなれば、日本からフィリピンに向けられた偏見がずいぶん減るだろうし、フィリピンに渡航する日本人の目的も、さらに変わってくるでしょう。大げさに言うと、今が民間人レベルでの、日比二国関係の転換期だという気がします。
場所:
フィリピン シライ市
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