フィリピンのファーストフード最大手のジョリビー。多少なりともフィリピンに関わりのある日本人なら、知らない人はいないと思います。創業は1975年なので、もう40年以上の歴史。笑顔のミツバチがキャタクターで、そのバタくさい雰囲気から、最初はてっきりアメリカ資本かと勘違い。実は中国系の経営者が創業した、れっきとしたフィリピン・オリジナルです。
そのジョリビーが日本進出を発表してから、もうずいぶん経ちます。確報ではなさそうですが、来年(2018年)には東京に1号店がオープンするという記事も。当初は在日フィリピン人をターゲットにするらしい。
ジョリビーはすでにアメリカ、香港、サウジアラビア、そして東南アジア諸国など、フィリピン国外に161店舗を構えています。シカゴ在住の家内の従妹家族が、近所にジョリビーが出来たと、大喜びでフェイスブックに投稿していました。その動画によると、開店当日はものすごい行列。えらい人気なんですね。
ジョリビー成功の秘訣は、フィリピン人の好みを、無節操なほど追及したメニューにあると言われています。最初はアイスクリーム屋として創業し、ライスと一緒に出されるフィリピン風の朝食、フライドチキン、ハンバーガーと、大阪の「くいだおれ」を連想させる、何でもありの品揃えを展開。中でもジョリビーを代表するのが、フィリピン人のソウルフードとも言われるスパゲティ。
ほとんどのジョリビーの献立は、甘い方に味付けが振れていて、このジョリビースパゲティはその最たるもの。バナナケチャップを使っているというソースは、食事というよりスイーツ。塩と砂糖を間違えたんか?というほどに甘い。
ところが、これがフィリピンテーストにみごとにハマったんですね。子供だけでなく大人にも結構な人気。また、ジョリビーのフロアーを借り切って、誕生日パーティを開くというのが、ちょっとしたステータス。
そう言えば、子どもが通うシライ市内の小学校で、貧しい家庭の人たちを招いてのチャリティ催事があった時。ジョリビーのケータリングサービスに、集まった子供たちが躍り上って喜んでました。
さて、フィリピン国内では、マクドナルド、ケンタッキーの追随を許さない、圧倒的な強さを誇るジョリビー。どのような日本戦略で来るんでしょう。在日フィリピン人以外は相手にしないなら、国内のメニューをそのまま持っていけばいいけれど、それではいくら広い東京でも2〜3店舗も出せばいいところ。とても一般の日本人客から支持されるとは思えません。
そこで頼まれもしないのに、日本でのジョリビー成功のシナリオを考えてみました。日本ではそんなに認知度が高くないフィリピン料理の地位をうまく利用して、伝統的フィリピン料理のお手軽版で、売り出すのはどうでしょう。
日本人が食べても違和感がない、レッチョン・バボイ(豚の丸焼き)、アドボ(肉や魚の酢醤油煮込み)やチキンイナサル(鶏の串焼き)などをアレンジして、エスニック風のメニューとしてアピール。ライスは、地元レストランのスタイルで、お櫃を首からぶら下げたウエイター・ウィトレスさんが、席まで行ってお給仕。もちろん普通の白米と、ガーリックライスを選べる。デザートは当然ハロハロで決まり。それも10種類ぐらいは用意してほしい。
さらに、フィリピンローカルを全面に打ち出して、フィリピンで募集した、美男美女のフィリピーノを雇うのもいいかも知れません。ここまでやると、ただの飲食店ではなく、別の目当てで集まる人が増えそう。
やや面白半分に書いてはいますが、フィリピンに住む私としては、どんな形にせよフィリピン発のビジネスの成功を願います。いつも書いているように、フィリピンという国へのネガティブイメージを減らすには、普通のフィリピンを知らしめるのが第一歩ですから。
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