2014年11月6日木曜日

強くてきれいなフィリピーナ

女らしいとか男らしいとか、最近の日本ではうっかり口にすると総攻撃を受けて火だるまになりそうですね。特に発言者の立場によっては「セクハラ」になって、地位や職を失う場合も。

ことさら取り扱いが難しくなってきたジェンダー(社会的性差)についての話題ですが、フィリピンではそういう神経質さとは無縁なようです。特に女の子の場合、幼稚園児ぐらいの年頃から、親も周囲の大人もジェンダーを意識させることが多い。

小学校では、民族衣装を着て来ましょうとか、国連デーと称していろんな国のコスチュームを着る日とかあります。そういう時は、低学年でも女の子はほとんど全員化粧します。また、結婚式では、これまたまだオムツ取れ立てみたいな子供でも、ドレスアップとメイクが当たり前。そしてそれを褒める言葉として、親や親戚が「セクシー」を連発。


親戚の結婚式にて


年頃の女性向けには、私の住むシライ市のような小さな街でも毎年ビューティ・コンテストが開かれます。バランガイという町内の自治会みたいな、最小の行政区画が一単位でバランガイ同士の対抗戦。結果は、どデカいポスターに印刷されて、市営の広場「プラザ」に掲示され、市民に告知。ちなみに今年は、ミス・シライにはなれなかったけど、家内の従妹がバランガイ代表に選出されました。



だからと言って、女は女らしくおしとやかに、控えめに専業主婦になるのが美徳とされる...とは全然ならないのが、フィリピンの面白いところ。一般の家庭でも、家計は握っているのは大抵お母さん。職場でも、経理やレジ係など直接現金を扱っているのは、判で押したように女性。生活力という点では、圧倒的に女性が強いようです。その分、男どもの情けないこと。仕事がなくて、平日の昼間っから道端でおしゃべりしてるのは、これまた決まり切ったように男ばかり。

しかし、日本みたいにオっさんが威張り返っていて、女性が高い地位に就くことがまだまだ少ない国に比べると、遥かにいいかも知れません。しかも、キャリアの高い女性でも、髪振り乱して男に負けないよう頑張ってます、みたいな気負いを持つ必要がなく、いくつになっても女性がセクシーさを忘れないのは、素晴らしい。

俗に、フィリピンは美人が多いと言われますが、子供をたくさん産もうが、仕事をバリバリこなそうが、女であることを意識し続ける彼女たち自身の努力と、それを当たり前とするフィリピン文化が、そういう評価に繋がっているように思えます。


先日ネットで見つけた記事によると、世界各国の男女平等の度合いを数値化した「ジェンダー・ギャップ指数」の2014年版で、調査対象の142カ国中、フィリピンはアジア唯一の10位以内の9位だったそうです。1位はスイスで、上位は欧州諸国で占められ、日本は恥ずかしながらの104位でした。この数字、本当に実感として理解できますね。


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