ことさら取り扱いが難しくなってきたジェンダー(社会的性差)についての話題ですが、フィリピンではそういう神経質さとは無縁なようです。特に女の子の場合、幼稚園児ぐらいの年頃から、親も周囲の大人もジェンダーを意識させることが多い。
小学校では、民族衣装を着て来ましょうとか、国連デーと称していろんな国のコスチュームを着る日とかあります。そういう時は、低学年でも女の子はほとんど全員化粧します。また、結婚式では、これまたまだオムツ取れ立てみたいな子供でも、ドレスアップとメイクが当たり前。そしてそれを褒める言葉として、親や親戚が「セクシー」を連発。
親戚の結婚式にて
年頃の女性向けには、私の住むシライ市のような小さな街でも毎年ビューティ・コンテストが開かれます。バランガイという町内の自治会みたいな、最小の行政区画が一単位でバランガイ同士の対抗戦。結果は、どデカいポスターに印刷されて、市営の広場「プラザ」に掲示され、市民に告知。ちなみに今年は、ミス・シライにはなれなかったけど、家内の従妹がバランガイ代表に選出されました。
だからと言って、女は女らしくおしとやかに、控えめに専業主婦になるのが美徳とされる...とは全然ならないのが、フィリピンの面白いところ。一般の家庭でも、家計は握っているのは大抵お母さん。職場でも、経理やレジ係など直接現金を扱っているのは、判で押したように女性。生活力という点では、圧倒的に女性が強いようです。その分、男どもの情けないこと。仕事がなくて、平日の昼間っから道端でおしゃべりしてるのは、これまた決まり切ったように男ばかり。
しかし、日本みたいにオっさんが威張り返っていて、女性が高い地位に就くことがまだまだ少ない国に比べると、遥かにいいかも知れません。しかも、キャリアの高い女性でも、髪振り乱して男に負けないよう頑張ってます、みたいな気負いを持つ必要がなく、いくつになっても女性がセクシーさを忘れないのは、素晴らしい。
俗に、フィリピンは美人が多いと言われますが、子供をたくさん産もうが、仕事をバリバリこなそうが、女であることを意識し続ける彼女たち自身の努力と、それを当たり前とするフィリピン文化が、そういう評価に繋がっているように思えます。
0 件のコメント:
コメントを投稿