2014年11月8日土曜日

台風ヨランダから1年

死者6000名を超える被害をもたらした、昨年の台風30号ヨランダがフィリピンに襲来してから、今日でちょうど1年となります。おそらく日本ではテレビなどでの報道はもうないと思いますが、ネットで検索してみると、まだいくつかの支援活動が継続中。

改めてヨランダの進路を見直したところ、私たちの住むネグロス島のほんとうに至近距離を通過したんですね。もちろん、ここシライ市内でも前日から激しい風雨で、まる三日間停電しました。浸水した家屋も多かった。幸いにも借り住まい中の自宅は、ほとんど何の被害もなく、電気が復旧した後でレイテ島の惨状を映像で見て驚いたほど。




後から聞いた話では、高潮での壊滅的な被害は、事前にある程度予測されていたそうなんですが、フィリピンの言葉で適当な訳語がなく、英語の Storm Surge を使ったため、ほとんどの住民が理解せず避難の遅れにつながったとのこと。Tsunami と言ってくれてたら、避難してたのに、という声も聞きます。
それにしても、毎年台風被害が発生しているこの国で、高潮を意味する言葉がなかったというのも驚きですね。

私は昭和37年(1962)の尼崎生まれなので、小学校の授業で、まだ記憶も生々しかった「ジェーン台風」(1950)のことを習いました。この台風は、尼崎を含む大阪湾沿岸に大きな高潮被害をもたらし、それが沿岸部での防潮堤の建設につながったとのこと。バスを連ねた社会見学で、見に行った記憶があります。

フィリピンも日本と同様に台風被害が多い国なのに、特に台風の進路に対して海側に開けた東ビサヤ諸島では、今までも高潮の経験がなかったんでしょうか?

台風にしても地震にしてもそうですが、日本だと被害が大きかった場合、その後社会問題になって、建築の安全基準や、避難計画の見直しで大騒ぎになるのが常。ところが、フィリピン、少なくとも私たちの住むシライ市で、台風の後、次の浸水に備えて宅地のかさ上げしようとか、暴風に強い建物にしようなどという声は、聞いたことがありません。

予算がない、お金がないと言ってしまえばそれまで。所詮、自然の猛威に対して人間は無力だと言うことなんでしょうけど、もう少し本気で取り組めば、ずいぶん被害を小さくできるはずなのになぁと思ってしまいます。

州都に巨大なショッピングモールを作る経済力があるのだから、その何十分の一でも災害対策にお金を使えれば...。 


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