2014年11月28日金曜日

フィリピン送金事情

フィリピンは、景気がいい。2013年のGDP成長率が7.18%。世界第20位(調査対象国188中)だそうで、日本の1.52%の138位と比べると、どんだけすごい勢いかというのが、よくわかります。

これは、数字だけの話ではなく生活実感。
人口たかだか2万人のシライ市に、大きなスーパーマーケット(ロペス、プリンス)が二つも営業中。そしてフィリピン最大手のSM(シューマート)系列のセーブモアが近々開店予定で、現在新店舗を建設中です。

象徴的なのは、洒落たカフェが増えたこと。以前は州都のバコロド(50万都市)まで行かないと、まず見られなかったような、単価が200ペソ近くもするケーキを出して、清潔な店構えのカフェが、相次いで自宅近くにオープン。一昨日も家内の誕生日祝いを兼ねて、一番新しいところに行って来ました。




しかし、こういう場所から徒歩数分の距離にスラムがあって、貧しい生活を送っている人がたくさんいるのもフィリピンの現実。景気が良くても失業率は相変わらず高く、2013年の記事によると7%。最近経済の雲行きが怪しくなってきた中国で4.1%。その他のASEAN諸国(タイ0.7%、ベトナム2.0%)に比べても圧倒的に悪い数字です。

この状況での好景気を支えているのは何かというと、それが海外労働者。建設作業従事やメイドのような単純労働だけではなく、今や約1000万人にのぼると言われる海外労働者の半分は医師や看護士、エンジニア、船員などの専門職。送金総額は214億ドル(約2兆5千億円!)。銀行を通さない直接持ち込みも含むとこの倍額で、フィリピンの国家予算に匹敵するそうです。

最近、フィリピン国内ですが、お金を送ったり受け取ったりすることがあって、どういう状況なのかを見る機会に恵まれました。目抜通りに面した一角に、その手のお店がいっぱいかたまってます。今まで意識したことがないので気づきませんでしたが、こんなにあったのか。





どれも質屋、両替、送金を兼ねた一種の総合金融機関みたいなもの。マニラでもセブでも見たような店の名前だと思ってたら、全国チェーンの送金システムだったんですね。朝の開店時間の8時には、かなり人が集まってました。ここで送金を頼むと、用紙を渡され、送金先の都市・支店名、受け取り人の名前と携帯番号を記入して、送るお金と手数料(送金額の2〜3%程度の固定レート)を渡せば、時間差ゼロで送金先にてお金を受け取れます。

受け取る時は、身分証明できるものが必要ですが、銀行口座を開く必要もなくとても簡単。なるほど〜。こうやってお金を送ってたのか。見た目は日本のパチンコ屋裏にある、景品交換所みたいな佇まいですが、フィリピンの経済のしくみを考えると、このような質屋さんが、銀行以上に重要な金融の大動脈なんですね。

出典
【海外情報レポート】好調なフィリピン経済を牽引する海外出稼ぎ労働者の送金事情
世界の経済成長率ランキング


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