2018年8月14日火曜日

止まない雨はないけれど

「止まない雨はない、とかじゃなくて、今降ってるこの雨が耐えられないっつってんの」という格言なのかボヤキなのか、よく分からないセリフを、最近ネット上で見かけました。おそらく天候そのものではなく、抑鬱状態に悩む人の心の中を代弁したものでしょう。

実際、鬱を体験した私には、この言葉は実感そのもの。気持ちが土砂降り状態の時に、一般論的な慰めは、まったく何の役にも立たないばかりか、余計に苛立ちを募らせたりすることも。

ところが最近の日本やフィリピンでは、頭の中ではない現実で、尋常ではない量の雨が、長時間に渡って降り続くという事態になっています。日本では言うまでもなく、平成30年7月豪雨と名前まで付いてしまった、西日本を中心に、全国各地に大被害をもたらした大雨。死者は220名に達しました。

そしてフィリピンでは、今現在(2018年8月14日)、マリキナ市を始めとするマニラ首都圏や、ルソン島各地で被害が拡大中の豪雨による洪水。

例年この時期、フィリピンではモンスーン(南西からの湿った季節風)が吹き荒れ、数日から一週間以上の雨が続くことは、珍しくありません。ここネグロス島シライの自宅、まさにこのブログを書いている書斎も、南側の窓から風が吹き込み、時折やや強めの雨がザっと通り過ぎたり。



出典:地球の風

それにしても、今回の雨は、さすがのフィリピンでも少々度が過ぎる感じ。マニラ周辺での洪水の酷さは、2009年に死者500名以上を出した、16号台風オンドイ以来最悪と言われ、連日ニュースでは、泥水に浸かった首都圏の街並みが報道されています。

オンドイ襲来時は、まだ日本に住んでいた私たち家族。実はフィリピン移住を強く後押ししていただいた日本人のMさんが、被害の大きかったマリキナにおられます。後押しと言っても、先方からプッシュがあったわけではなく、私がMさんのブログを拝見して、勝手にそう思い込んでいただけですが。

Mさんは年齢もフィリピン移住歴も、ちょうど私の10年先を行く先輩。同じようにフィリピン女性と結婚し、日比ハーフのお子さんもいます。

私がネグロスへ引っ越す数年前に、マリキナのMさん宅に一泊させていただいた時のこと。ちょうどオンドイの翌年だったので、被害の記憶も生々しく、2階建ての1階部分が長期間に渡って使用不能になったことや、掃除や後片付けに、どれだけ大変だったかなど、たくさんの経験談を話されました。

異常気象によって、夏場の高温や旱魃、それまでに例がないような大雨などが増加傾向なのは、どうやら日本もフィリピンも同様。Mさんからの教訓は、私のネグロスの自宅プランにも取り入れました。

つまり、当初は一部の部屋だけが二階にあった間取りを、ほぼ総二階に変更し、腰まで来るような大水でも、家財道具を上に避難させて、二階だけでもしばらくは生活できる仕様に。幸いにして、ここシライの自宅周辺では、この5年間にそこまでの出水はないものの、一応の備えをしたことで、多少なりとも気持ちは楽になりました。

それはともかく、ルソンでの雨。フィルスターの記事(Philstar)によると、今日も各地の学校は臨時休校。またABS-CBNの伝えるところでは、フィリピンの東海上にある三つの熱帯低気圧が、モンスーンを強める形になって、まだ大雨が収束する見通しが立たないとのこと。

まったく「止まない雨はない」なんて、ゆったり構えているどころの話ではなく、一刻も早い天候の回復を祈るばかりです。


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