2018年8月29日水曜日

フィリピン視点の大阪評


出典:Inside Osaka

私が生まれ育った関西圏。その中心都市である大阪が、世界で3番目に住みやすい街に選ばれたんだそうです。どっかのパチモン調査会社がデッチ上げた話ではありませんよ。

この調査は、毎年、世界140の都市を対象に、安定性・医療・文化・環境・教育・インフラの観点で、居住性の良さを評価したもの。実施しているのは、1946年(昭和21年)から続く、イギリスのエコノミスト(Economist)という専門誌の調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(Economist Inteligence Unit )。世界の国家や工業を分析し、そこから導きだした将来予測などの情報を提供しています。

この世界居住性ランキング(Global Liveability Ranking)の2018年版で、1位ウィーン(オーストリア)、2位メルボルン(オーストラリア)に続いて、堂々の第3位が大阪という結果となったそうです。

こう書くと、日本で一番犯罪発生率が高い大阪が、なぜ?と思う人も多いでしょう。確かに、人口100人当たりの犯罪件数の比較では、大阪市中央区が10.76%で、不名誉な全国1位。2位は東京都千代田区の9.078%、3位が名古屋市中区7.795%。

ただしこの数字は、母数を住民登録数で算出しているため、単純に人口密集地や、昼間人口が多い場所の数値が、高くなる傾向があります。なので、これだけを元に、治安の悪い危険な街だと判断するのは、必ずしも正しいとは限りません。

さらに、国別の犯罪率の低さでは、一番住みやすいとされたウィーンがあるオーストリアが9位。オーストラリアはトップ10に入らず。日本は世界で3番目に犯罪率が低いとの結果。(因みに1位はシンガポール、2位はルクセンブルグ)

つまり、日本国内であまり成績のよくない大阪も、土台となる国のレベルで比較すれば、決して劣悪な状況とは言えない。

私のように、犯罪率を比べたら、お話にならないフィリピンに住んでいる者からすれば、大阪で多いとされる、ひったくりやスリなんて、余裕で防げる犯罪。自転車のカゴに荷物とか、鞄の外側にあるポケットに財布、なんてことをこの国でやったら、それは盗んでくださいと言っているようなもの。

そういうネガティブな話だけではなく、東京と比較しても、家賃も食費も圧倒的に安い。特に食べ物に関しては、ただ安いだけでなく、今や海外からの観光客が大阪を訪れる理由になるほど、美味しくてバリエーションが豊富。

また鉄道や地下鉄網は、混乱しないサイズで程よく発達し、首都圏の殺人的な混雑に比べたら、はるかにマシ。教育や医療レベルも他の日本の都市と比べて、劣るわけでもない。客観的に考えてみると、大阪って意外と住みやすいんですよ。(ただし、文化面の評価だけは、かなり低かったそうですが)

そんな大層な話をするまでもなく、フィリピンに5年以上も暮らし、たまに一時帰国すると、大阪の良さがよく分かります。上記のインフラや食事に限らず、私の移住後に、梅田や、天王寺駅周辺の再開発が完了し、本当にここは大阪市内か?と思うほど綺麗に整備されました。

幼稚園に入る前から母親に連れられて、梅田地下センターをうろついていた私には、広く美しくなった阪急百貨店は、もう感涙もの。

ただし正直なところ、移住直前に約半年住んだ福岡市が、住みやすさから言えば、大阪より上なんじゃないか、と思わないでもないですけどね。

ということで今日は、我が心の故郷・大阪(本当の故郷は、大阪の隣街、兵庫県・尼崎市)を、フィリピン在住関西人の視点で再評価してみました。


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