2018年8月17日金曜日

ビサヤの時代

差し詰め、日本で言うところの「地方の時代」みたいな息吹を感じる、最近のフィリピン。マニラ首都圏への一極集中が行き着く所まで行ってしまい、交通、治安、そして洪水を始めとする自然災害への対策、すべてがもう限界。

私が見るところ、ドゥテルテ大統領が、その政治生命を賭してでもやると明言する連邦制の導入は、その最大にして唯一の切り札。地下鉄建設も、ジプニー(乗り合いバス)のリニューアルも、頑張ってはいるものの所詮は対処療法。根本的な体質改善には、素人目にも、連邦制導入による首都機能の地方分散しかないでしょう。

私たち家族の住むネグロス島では、連邦になった時の行政区分が、旧来のウェスタン・ビサヤ・ディストリクト(西ビサヤ地方)になるのか、一旦は沙汰止みになった、東西ネグロス州を統一した、ネグロス・アイランド・ディストリクト(ネグロス島地方)に一新されるのかが気になるところ。

西ビサヤということならば、首都はイロイロ(ネグロスの隣島パナイの中心都市)か、西ネグロスの州都バコロドか。しかし、ネグロス島単独となると、首都はバコロドの南にある、カバンカラン(Kabankalan)という街になる、という話も聞こえてきます。


カバンカラン市庁舎

いずれにせよ、それぞれの市民や周辺地域の住民にすれば、首都となってさまざななインフラが整備されて、その生活に直接の恩恵があると期待するでしょう。こうした政治的な競争がある場合、フィリピンでは裏金を行き交い、時には流血の惨事になりかねません。

それはともかく、ネグロスが行政的に一つの扱いになって、財源も確保されるなら、前回投稿したように、東西ネグロス間の交通の便を何とかしてほしいところ。小型旅客機のエア・コミューターとか、バコロド・カバンカラン・ドゥマゲテを繋ぐ高速道路とか。

ちなみに10年以上前から、バコロド、ドゥマゲテに次ぐ、ネグロス第三の空港を、カバンカランに作る構想があって、今年3月のサンスター(Sunstar Philippines)の記事によると、ようやく、ターミナルビル建設の着工に必要な取り敢えずの資金、一千万ペソを調達したそうです。(総工費ではない)

直近には、いろいろと生臭い話もあるでしょうけど、国家百年の計から考えれば、とてもいい話。仮にマニラ首都圏が戦災や災害で大きな被害を受けても、地方に各機能を分散しておけば、全体へのダメージは少ないし復興も早い。

また、現代フィリピン最大の問題である貧困も、地方にお金が回れば、対策も打ちやすくなる。(ただしこれは、汚職や横領など、政治家の「病気」治癒が前提)

そしてまず真っ先に、新しい道路やビルの建設で、たくさんの雇用が生まれることでしょう。

ということで、ここ何年か、ネグロスにしてもパナイにしても、市街地は再開発され、リゾート地には設備が整い、道路もコンドミニアムも建設ラッシュ。セブの新空港ターミナルが先日オープンしたし、いよいよフィリピンは、ビサヤの時代とも呼ぶべき状況になってきました。(物価も上がっちゃうのが痛し痒し)


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