ご飯を団子状にするだけの食べ物、おにぎり。梅干し入れたり、海苔を巻いたりするけれど、基本は塩味。シンプルな事この上なし。こんな食べ方、米を主食にする国なら、どこだってあるだろうと思いきや、意外と見ないですね。日本食レストランを別にすれば、少なくともフィリピンでは一度もない。
この投稿をするに当たって、例によってウィッキペディアで調べてみたら、おにぎりの歴史は古い。何と、石川県にある弥生時代後期の遺跡から、人の手で握られた痕跡のある炭化した米が見つかったんだそうです。これが「最古のおにぎり」。
海苔を巻くアイデアはぐっと時代が下って、江戸時代は元禄の頃。太平洋戦争中は、兵士の携行食もおにぎりでした。戦国時代ならばともかく、酷暑のフィリピンでも厳寒の中国北部でもおにぎりだったというのは、思慮が足りなさ過ぎですね。酷暑だと傷みも早く、厳寒なら凍る。また炊飯の手間がかかる米食は、どう考えても戦争には不向き。
それはさて置き、なぜ唐突におにぎりの話を始めたかと言いますと、こっちに住んでからもよく握るんですよ。もちろん最初は自分や家族用だったのが、お客さんに出しても喜ばれる。そして今日は、息子の学校で「フード・シェア」という催し物に、おにぎりを用意した次第。
フード・シェアとは、要するに持寄りパーティ。家で作ったものでもいいし、おかず屋さんで買うのもOK。主食・副食・デザート、食べ物をくださった神さまに感謝して、みんなでランチパーティしましょう、という感じ。
ただ残念なことに、ちょうど日本の味付け海苔を使い切ったところ。ネグロスでも韓国産の巻き寿司用のは売ってますが、変に歯ごたえがありすぎて、おにぎりにはイマイチ。一度これを使ったおにぎりをフィリピンの子供に出したら、包み紙と思ったらしく、きれいに剥がしてお召し上がり。
そこで、これまたネグロスで入手可能な、ふりかけを炊き立てご飯にまぶして握りました。冷蔵庫には梅干しもありましたが、さすがにこれは食べられないでしょう。
おにぎりだけでは寂しいので、家内のリクエストで赤いウィンナー。こちらではウィンナーとかソーセージとは言わず、パンに挟まってなくてもホットドックと呼びます。ただ炒めるだけでは芸がないので、端っこを八つに切ってタコ・ウィンナー。
出来上がったおにぎりとウィンナーをタッパーに詰めて、昼前に学校へ配達です。日本だったら朝から持っていかせるところが、こっちは暑いので、通常のお弁当も配達方式。メイドのネルジーはもういないので、自分で自転車漕いでの出前となりました。
後で息子に訊いたら、おにぎりはやっぱり大人気だったそうです。タコ・ウィンナーは誰も意味が分からなかったけれど、元々ホットドック大好きなフィリピンの子供たち。こちらも瞬殺で完食とのこと。良かった良かった。
ちなみにネグロスにも、日本のものに近い食感のジャポニカ米はありますが、最近我が家では、地元産のインディカ米ともち米を2:1の割合で混ぜて炊いています。これなら値段も安く抑えて、おにぎりを作るにも十分な粘り気。
ということで今日は、ネグロス島でのおにぎりの話でした。
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