2018年6月20日水曜日

血縁社会フィリピン


1ヶ月以上のメイド不在期間を置いて、やっと我が家に来てくれた新任のジャジャ。嬉しくて早速ブログに投稿したら、いろんな人から反響をいただきました。

その中でも驚いたのが、友達付き合いをさせてもらっている日本人女性が「私の彼氏の親戚です」と教えてくれたこと。前回書いた通り、ジャジャを紹介してくれた、日本のNGOスタッフのジュンジュン君も、日本人女性と交際中。それとはまた別の人。つまりジャジャは、私の友達二人と恋人経由でつながりがあったということになります。

さらにジュンジュンの親戚で、プロテスタント教会の牧師さんをしているロジャーという人が、以前から私の家内の知り合い。こちらは、2年前に家内が勤めていたNGOの活動で、研修の名目で日本へ。その際、パスポートやビザの手配で家内がずいぶんと世話をしました。

我が家にも何度か来て、私もよく知っています。牧師さんには見えなくて、気のいい農家のオッちゃんという感じ。ジュンジュンと初めて会った時には、ロジャーの親戚かと驚きました。そんな関係なので、ロジャーとジャジャも親戚。

フィリピンでもマニラなどの大都会なら、滅多にないことでしょうけど、田舎のネグロスで、しかも山間部や漁村だとよくある話。兄弟姉妹が5人とか10人がザラだし、固まって住むもんだから、一つの集落に知り合いができると、芋づる式に、ぞろぞろ「友達の親戚」が現れる。

こうして見ると、フィリピンの地方は、本当に地縁・血縁で何重にも人同士が結ばれてるんだと実感します。シライで、メイドを仲介するエージェントがないのも、おそらくそれが理由。見も知らない他人からの紹介より、親戚を頼った方が早いし信頼性も高い。

さらに、子供のゴッドペアレンツ(カトリックでの名付け親)、成人式のスポンサー(後見人)、結婚式のウィットネス(立会い人)などなど、親戚や友達の子供や若者を後援する制度が盛り沢山で、繋がりを強化。

これは私の推測ですが、300年以上も外国の支配下で搾取に苦しんできたフィリピンの人々が、自分たちを守るために、血縁で団結した名残りなのかも知れません。それが今でも、貧困や災害など、いざという時の互助機能として働く。

最近では互助というより相互依存みたいになってしまって、身内に成功者が出ると、寄ってたかって金を無心することも多いようです。こうなると負の遺産。フィリピン人と結婚した人の中には、心当たりのある方もおられるでしょう。

というわけで、こんなに親戚だらけの土地で暮らすのですから、ただでさえ目立つ日本人としては、日頃の行いや発言に相当気を遣います。下手すると、いつどこで足をすくわれるか分かったものではない。

見方を変えると、人に親切にしておけば、すぐにその評判が自分に戻って来る。今回ジャジャがメイドとして我が家に来てくれたのも、結果的には地元の人との付き合いを大事にしたから、とも言えますね。


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