テーマはラジカセ。ラジオカセットテープレコーダー。この30年間で、電話と並んで、まったく有り姿が変わってしまったオーディオ機器。もうカセットを見たことない人も多いでしょうね。
私が高校生の頃、オーディオといえば憧れのアイテム。音源はレコードとFMラジオぐらいしかなかった。ちょうどレンタルレコードのビジネスが始まったばかりで、貧乏学生は、レンタルしてきたレコードを、カセットにコピーしたり、ラジオで流れる曲をエア・チェック。
エア・チェックという言葉も死語ですな。本来は、ラジオ番組のスポンサーのために、ちゃんとCMがオンエアーされているかどうかを、録音してチェックしたことが語源。いつしかラジオを録音すること自体を、エア・チェックと呼ぶようになりました。
あのころはFM番組の専門雑誌があって、1ヶ月先までの番組表と、流される予定の曲名がびっしり。タイマー録音もないし、人気アーティストの新譜が発表される時など、何日も前からテープを用意して、放送当日を待ち構えたものです。AMと違って、FMではDJが曲のイントロに言葉を被せないのは、当時の習慣が残っているからかも知れません。
音楽を再生するのも、今と比べればずいぶん手間が多かった。LPレコードは、直径が30センチ以上もあり、かさばるし傷がつきやすく、静電気を帯びてすぐ埃だらけ。ディスク上に金属針を落として聴くものなので、再生すればするほど音質は劣化。なので、レコードを持っていても、通常はカセットのコピー版を愛聴。それも擦り切れるほど聴き倒しました。
そんな接し方をしたオーディオ機器。どれだけ貴重で愛情を込めたか。おこずかいを貯めて初めて買ったラジカセは、今でも細かい部品の手触りや操作感まで覚えています。完全に恋人。
価格が下がるにつれて、女の子向けの可愛い色やスタイルのものも出てきましたが、当初は「男の子アイテム」。黒いボディに金属パーツやメーター、ぴかぴかのLEDをふんだんに使った外観は、車やバイクの世界に通じるものが。
私がデザイナーとして家電メーカーに入社したのも、そんなオーディオへの憧れが高じた結果。ところが配属先ではコンピューターやテレビの担当で、結局本格的なオーディオは手がけることなく終わってしまいました。
というわけで、現実にはもうありえない新発売の高級ラジカセが、フィリピン市場に投入されたという妄想を、架空のメーカーからのカタログという形で、絵にしてみました。モデルさんは、フィリピンのナンバーワン女優、エンジェル・ラクシン嬢。本当にキャンペーンガールとして雇ったら、ものすごいギャラになるでしょうね。
過去の「私的フィリピン美女図鑑」は、こちら。
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