2018年5月17日木曜日

一票600ペソ


今日は、4年ぶりの歯医者さん。
と言っても、歯が痛かったわけではなく、歯石を取ってもらいに。本当は半年か1年置きぐらいに、歯の掃除はしてもらった方がいいんでしょうけど、初めて行った、シライ市内の歯医者さんが暴力的で、軽いトラウマになってしまい、何となく足が遠のいてしまった。

別に、歯医者で殴る蹴るの暴行を受けたわけではありません。歯石取りの手際が何とも乱暴だったのと、その女医さんのルックスが、まるで「天空の城ラピュタ」に登場する、女海賊ドーラみたいだったんですよ。薄笑いを浮かべたドーラおばさんが、チュイーーン...。

今日行ったところは、歯科医が家内の職場の同僚。昼間は市の教育員会で働き、アフターファイブは歯医者さんという、ちょっと風変わりな女性。予約しておいたはずが、なぜか通ってなくて、待つこと1時間半。

しかし歯石取りは、前回の歯医者とはだいぶ違い、丁寧で優しい手付き。歯茎周りが神経過敏になっていたようで、かなり沁みたものの痛みはなく、10分ほどで無事終了。料金は締めて600ペソ(約1270円)でした。

歯医者の後は、空腹で不機嫌になった息子を引き連れて、シライ市内で一番流行っている、地元料理レストランのフードパークへ。平日の夜だというのに、ほぼ満席状態なのは驚きました。あそうか。フィリピンでは給料日が月に2回で、今夜は給料日直後でした。

それだけではなく、家内がコソっと教えてくれたのは、バランガイの選挙が終わったところだから。何の関係があるんだろうと思うでしょうね。実は、投票直前の候補者による現金ばら撒きは、フィリピンの選挙では公然の秘密。シライの相場では、一票が600ペソで売り買いされると言います。歯石取り1回分と同額!

家族に有権者が4人もいれば、2400ペソ(約5000円)。フードパークなら、ビール付きで、かなりのご馳走を頼んでも、お釣りが来るぐらいの金額。だからシライ市民のみなさん、ちょっと気持ちが大きくなって、家族で外食なんですね。

日本だったら、一大スキャンダルになりそうな話でも、フィリピンの田舎だと変に微笑ましく感じてしまうのが不思議。どうせ政治家になろうという連中は、不正蓄財しまくっているんだから、せめて3年に一度ぐらいは有権者に還元するのは、いいことだとすら思ってしまいます。

私もフィリピンの思考形式に、だいぶ毒されてきたようですね。


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