2018年5月8日火曜日

日本製には拘らない



前回、プリンターを買い替えた話を投稿しました。私の筆力不足なのか、読者の中には、フィリピンで購入するべきなのは、できるだけ日本製がいいと受け取った人も。そういうつもりじゃ、なかったんですけどね。

1980年代以来のメイド・イン・ジャパン神話を、今でも頭から信じ込んでいる人は、思いの外多い。機構部品が多い、カセットやビデオなどのテープ類や、ディスクを使った製品ならば、部品や組み立ての精度が、品質や製品寿命に大きく影響したでしょう。

ところが、現代の携帯電話や液晶テレビは、極力可動部分を減らし、ワイヤレス化を推し進めているので、極端に言えば、そこそこの部品を買い集めて組み立ててれば、ある程度の品質は維持できてしまう。これが世界市場で、日本メーカーが韓国や中国に勝てなくなっている理由の一つ。

その上、最近のスマホなどは、次々と新技術が導入されるし、商品単価が下がっていることから、ファションアイテムを買い換えるとに似た感覚が広まっています。我が家の月給8000円程度のメイドさんですら、スマホを2台持っている。

つまり、日本製のアドバンテージは、昔に比べれば大した差ではないし、せいぜい3〜4年しか使わないモノに、10年以上保つような品質を求めるのは、あまり意味のあることではなくなっています。第一、無駄に高くなるし。環境保護の観点からは、あまり良いことではないけれど、一部の家電製品の世界では、それが現実。

また、洗濯機や冷蔵庫のように、相変わらず10年ぐらいは使う製品でも、日系メーカーのブランドを冠しているものは、原産国がどこであっても、かなり厳格な品質管理の元で生産されています。

これは、かつて某家電メーカーにデザイナーとして勤務していた私が、中国での生産現場で見てきたこと。正直に言って、売値が大したこともない商材に、そこまでムキにならんでも、と思うぐらいの厳しさで、品管や購買の日本人担当者の同僚が、鬼に見えたほど。

と、長々書いてしまいましたが、要するに日本製か中国製かより、私が拠り所にするのは、メーカーの名前と価格。今回私が購入したプリンターにしても、ブラザーという日本では知られたメーカーだし、フィリピン市場向けにしては比較的高価なもの。さっき製品の裏側を確認したらフィリピン製でした。

へぇ〜、ブラザーって、フィリピン国内に工場を持ってたのか。調べてみたら、5年前(2013年)からバタンガスでプリンターの生産をしているそうです。生産拠点を、中国からシフトしたんですね。

ということで、前回予告した、コーヒーメーカー購入の話が、そっちのけになってしまいました。


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