2018年5月10日木曜日

楽しい選挙


3年に1度のバランガイ選挙の投票日が、4日後の5/14(月)に迫ってきました。バランガイとは、フィリピンの最小行政区画。無理矢理日本語に訳すと、町内会ということになるんでしょうけど、重みが全然違うようです。

元々「バリオ Barrio」という名称で、村や地区などに相当する存在だったものを、マルコス大統領の時代(任期1965〜1986)に、バランガイという新名称と共に、制度が再構築されました。

私は外国人ということもあって、あまりお世話になったことはありません。会費を払ってる関係で、街灯の修理や、隣家の焚き火が煙いなどの、要望や苦情は、サブデョビジョン(宅地)のクラブハウスに対応を依頼。バランガイは、永住ビザ取得時に必要な、書類を貰いに行ったことがあるぐらい。

また、私たちが属するシライ市の第5バランガイは、富裕層が多く、貧民街のような場所もないので、比較的平穏ですが、一般には住民同士の揉め事などが、バランガイ事務所に持ち込まれることも多いらしい。

家内に言わせると、フィリピンの政治家=泥棒で、これはバランガイ・キャプテン(議長)や議員でも同様。つまり、問題解決のために袖の下を要求することが、日常的に行なわれていると言います。確かに、うちのバランガイ・キャプテンも、いつもいい服着て、高そうな車に乗ってるなぁ。

汚職は別にしても、バランガイは自治体として政府公認の組織で、それなりの予算も権力もある。その責任者を選ぶわけですから、有権者の態度も自ずと真剣になろうというもの。市長ともなると、やや遠い存在でも、バランガイはいつでも気軽に、オフィスへに顔を出し、文句の一つも言えますからね。

というわけで、ここ10日ほどは選挙活動がヒートアップ。昼間っから音楽ガンガンにかけて、夜は花火が打ち上がる、まるでフィエスタ(お祭り)状態。連日、有権者を集めての大騒ぎで、金品の授受もありそうです。幸か不幸か、選挙権のない私は、賄賂の類に縁はありませんが。

傍目に見ていると、これが実に楽しそう。候補者も有権者も、選挙が楽しくて仕方ないと言った風情。これは何も皮肉を言っているのではありません。日本人は、政治や選挙活動について話そうとしても、大抵「面倒くさい奴」と思われて、敬遠されるのがオチ。ましてや楽しむなんて論外。

フィリピンのやり方が、最善だとは思わないけれど、楽しいからこそ関心も高いし、真面目に議論もされる。

国民、特に若年層が政治に無関心になり、ジジ・ババと組織票だけで選出されて、一強多弱で5年も続いた政権が、やりたい放題の無法状態になっている日本に比べると、どっちがまともな民主主義国家かと思ってしまいます。

フィリピンでは関心が高すぎて、対立候補陣営間での暴力に発展することも珍しくない。シライ市内での流血沙汰を、見聞きしたことはないものの、投票前日・当日はアルコール類の販売も飲酒も禁止。ついでに露店やギャンブルなどもダメ。これは投票権の有無とは関係なく取り締まられるそうです。

さらに選挙となると、地方から出稼ぎに来ている人たちが、登録してある地元で投票することを口実に、大挙して里帰りをしたり。我が家のメイド、ネルジーも、明日の早朝バスに乗って帰省すると言って、先ほど嬉しそうに出かけました。これで1週間のメイド不在。

そして、当日の月曜日は、フィリピン全土が大統領令による特別休日。家内は3連休ということになります。それほど選挙に熱くなるタイプではない家内も、これは楽しいでしょう。


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