今日は、親戚の誕生日パーティのお話。フィリピン暮らしを語る上で、どうしても出てくる誕生日。本当にこれほど誕生日パーティが大好きな国民って、世界中探してもちょっといないのでは、と思うほど。
子供の誕生日を盛大に祝う気持ちは、分からないでもありません。ジョリービー(フィリピンで一番人気のファーストフード店)のフロアを借り切ったり、クラウン(ピエロの扮装をしたパーティ司会兼コメディアン)を雇ったり。特に1歳、10歳、18歳は、派手にやりますね。
1歳は、乳児の死亡率が高いフィリピンで、やっと難しい時期を切り抜けたお祝い。10歳は節目。18歳は成人式のデビュー・パーティとなります。最近は家族で祝っている息子の誕生日も、10歳の時だけは、大勢の友達や親戚を呼びました。
フィリピンでは、エエ歳したオっちゃんやオバちゃんも、さらには爺ちゃん婆ちゃんの誕生日も侮れません。還暦(60歳)や喜寿(77歳)・米寿(88歳)とかなら、日本でもお客さんを呼ぶかも知れませんが、今回は別に節目でもない73歳の誕生日。
バーズディ・ボーイは、家内の弟の妻の父上、カルロス・モランテ翁。通称チョ・カロイ(「チョ」は男性老人への敬称で「カロイ」はカルロスの短縮形)。日本だったら遠すぎて、親戚付き合いするかは微妙なところですが、こちらでは血のつながった叔父さん並みの距離感。
平日、月曜日の夜7時。シライで一番大きなレストランの一室を借り切ってのサプライズ・スタイル。パーティルームの照明を落として、5〜60人は集まった親戚や友達が息を殺して待っているのは、何とも奇妙な雰囲気。主賓が入ってきた瞬間に、みんなで「サプラ〜イズ」と声を合わせて叫ぶんですよ。まるで映画みたいに。
73歳のチョ・カロイなので、集まった友達も年齢はかなり高め。それでもパーティの盛り上がり方は、そんなこと全然関係なし。
さすがにクラウンではないけれど、ちゃんとプロの司会者が雇われて、喋ったり歌ったり。日本だったら完全に一人だけ浮きそうなオっちゃんでも、フィリピン人は素人さんのノリが違います。
突然のご指名に、誰もがまったく臆することなく、スピーチや歌を披露。私の義父(家内の父)など、酒も入っていないのに、歌に合わせて踊り出す。すると、頼まれもしないどっかの婆ちゃんが出てきて、パートナー役を務めたり。
これがいつ果てるともなく、延々と続くわけです。日本人の私は、マシンガントークのイロンゴ語(西ネグロスの方言)と、このノリには付いて行けず、ちょっと疲れてしまったものの、終盤には成り行きで、日本語で1曲歌ってしまいました。
それにしても、屈託のない事この上なし。よくラテン系の人々は、人生の楽しみ方を知っているなんて言いますが、フィリピン人もまったくその通り。ここで、これからフィリピンに移住したり、フィリピン人とお近づきになりたいと思っている人へのアドバイス。
歌・踊り・楽器・軽妙なトーク(英語かフィリピンの言葉)のうちの最低でも一つ、いつでも人前で披露できるレパートリーを準備しておいて、損はありません。レベルはそこそこで大丈夫。「遠慮」ほど、フィリピンで意味のない言葉はありませんから。
会場に貼られた特注「アイコラ」ポスター
こういうの大好きなんですよね
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