なぜ、そんな場所に?と思われるでしょうね。町内には世界遺産に登録されたミアガオ教会があるとは言え、日本での知名度はほとんど無きに等しく、フィリピン国内でも、そんなに有名な観光地とは言えないミアガオ。そもそもホテルがない。
実は私と一緒になるまでの約10年間、家内は、ミアガオにあるフィリピン大学ビサヤ校(University of the Philippines Visayas)内の研究所に勤務していました。今回の主目的は、言ってみれば久しぶりの同窓会みたいなもの。そして何を隠そう、20年前に結婚した私たちが、新婚旅行代わりに数日間滞在したのもこの町なのでした。
大学の表玄関
ミアガオは、私たち家族が住むネグロスの隣島パナイにある田舎町。パナイ島の中心都市イロイロから車で1時間かかります。現地での表記はMiagao もしくは Miag-ao 。正確にはミアガオというより、ミアッグ・アオなんでしょうね。
ただ、私の日本人耳には、「ミヤガオ」としか聴こえません。なので頭の中では「宮顔」とか「宮ヶ尾」とか、漢字表記が浮かんでしまいます。今住んでいるシライも「白井」で、イロイロは「色々」。語源はまったく日本とは無関係のただの偶然ながら、やっぱり親しみを覚えます。
さて、家内の母校ということで、このブログに度々登場するフィリピン大学(University of the Philippines)。日本の東京大学に相当する国内最高学府。1908年の創立で、マニラ首都圏ケソン市内のディリマン・キャンパスに本部を置き、マニラ周辺だけでなくビサヤ諸島各地、ダバオ(ミンダナオ島)など全土にキャンパスを持つ国立の総合大学。
学生数は6万人以上で、年間予算113億ペソ(約239億円)。東大生が大学院も含めて3万人弱ということなので、単純に人数だけで比較すると2倍以上の規模ということになります。2018年の世界大学ランキングでは、フィリピン国内ではトップの367位。(東大は28位)
このフィリピン大学ビサヤ校のキャンパスが、イロイロ、タクロバン(レイテ島)と、ミアガオに置かれています。家内はこのキャンパス内にある、漁業・海洋科学大学で研究員として働いていました。
なんだかとても難しいことをしているみたいですが、平ったく言うと、魚類や海洋生物の生態を調べて、漁法や養殖、水産品の加工などに関する、技術の開発や改善をするのが目的。要するに、フィリピンの漁師さんの生活が、もっとよくなるように支援するというもの。
研究員だった頃の家内は、キャンパス内にあるスタッフハウスに居住。社宅か寮みたいなものかと思ったら、かなり高級な部類の住宅地で、一戸当たりの床面積が、軽く100平米を超える住宅30棟以上。家族5〜6人程度なら余裕で暮らせるし、メイド部屋まで完備。家内は、その中の一軒を、同僚で親友のマールとシェアしていました。しかも家賃は500ペソ(約1000円)。つまり一人分、500円でこの広い家に住んでいたわけです。すっごい贅沢。
40畳はありそうなリビング・ダイニング
天井が高い
隣近所は、フィリピン大学の教授だったり同じ研究員。と書くと、息が詰まりそうなと思われるでしょうけど、そこは人間関係が至ってフラットなフィリピン。ビサヤ校の学長さんですら、ファーストネームで呼び合う友達みたいな付き合い。日本の感覚で考えたら、仲良しクラブみたいなもの。
そんなわけで、相棒のマール嬢には、しばらく他所へ避難してもらって、ハネムーンはフィリピン大学のスタッフハウスで、ということになりました。これも日本だったら、まずあり得ないシチュエーションですね。それがちょうど20年前、4月の末から5月にかけての、ゴールデン・ウィークの時期。
前置きだけでずいぶん長くなりました。次回も、結婚20年目のメモリアル・ツアー、ミアガオ観光の様子を投稿してまいります。
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