2018年5月7日月曜日
プリンター買い換えました
フィリピンに移住してから、「安物買いの銭失い」という、日本ではほぼ死語と化した格言を、身に沁みて実感するようになりました。特に家電製品は、かなり良いものを買わないと、すぐにダメになる。典型的だったのは、夜間の停電で使う充電式ライト。購入後1年もしないのに、いざという時に点灯しない。無理してコンセントにつなぐと、焦げた臭いが。
メイド・イン・チャイナが諸悪の根源、と言いたがる日本人は多いけれど、実際に中国製のものを一切使わずに、フィリピンで生活するのはほぼ不可能。そして中国製でもピンキリで、名の通ったメーカーならば、ある程度の安心感はあります。
そんなわけで、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ、などなど、中国製であっても、できる限り日系メーカーで揃えた我が家。DVDプレーヤーと書斎で使っている液晶テレビは、わざわざ日本から持ち込んで、変圧器経由で使ってます。
パソコン本体は日本で買ったマックブックで、周辺機器も最初は全部日本仕様。その中で最大にして一番高価だったのが、キャノンのプリンター。ピクサス・プロ9000なる、いかにも高そうな名前で、5万円ぐらいの代物。購入当時はプロのデザイナーだったので、多少の見栄もありました。
A3まで印刷できて、インクカートリッジを8本(レッド・グリーン・ブラック・マゼンダ・シアン・イエロー・フォトマゼンダ・フォトシアン)も使う本格的なもの。個人で使う人は多くなくて、デザイン事務所の経営者がオーナーだったりするような機種。10年以上前のことで、そこそこの値段のプリンターでは、画質に満足できなかったんですよ。
でもこれが、タチの悪い商売女に引っかかった感じ。とにかくインクカートリッジが高い! 1色1000円ぐらいするし、ちょっとまとめて印刷すると、どんどん無くなっていく。キャノンに限らず、プリンターメーカーは、インクで儲けていると言われています。本当にその通りで、最初から分かっていたんですが「搾取されてる感」は否めません。
今思えば、移住する時に、誰かに売るか、上げればよかったのに、フィリピンにまで持って来てしまった。カートリッジは、日本からのお客さんに頼んだり、一時帰国の際に自分で買い溜めたり。ところが先日、まだ10本ぐらいインクのストックが残っている状態で、ピクサス嬢が昇天されてしまった。
不具合のある部品は特定できていても、製品自体が既にメンテナンス対象外。日本の中古品で、1万円もする部品を買っても動作は保証されないし、ドライバソフトがもう更新されないので、パソコンのOSをバージョンアップしたら、ハードの故障は治っても動かなくなるリスクもある。
万事休すとはこのことで、2ヶ月ぐらい考えた末に、とうとう新品に買い換える決断をしました。調べてみると、ピクサスのような化け物じみた機種は、フィリピンでは売ってなくて、高くてもせいぜい1万ペソ(約2万1千円)ぐらいが主流。インクは赤・青・黄・黒の4色のみ。でも、プリントサンプルを見ると、10年前のピクサスとあんまり違いが分からないほど、技術は進んでました。
やって来たのは、パソコン専門店のオクタゴン。現在フィリピンでのプリンター市場は、ブラザーとHP(ヒューレット・パッカード)の2強に、キャノンが続くという様相。そして選んだのは、ブラザーのDCP-T310という機種。店頭価格が8,000ペソ(約1万8千円)だったので、こちらの庶民感覚では、かなりの高級品。詰め替えインクが1色390ペソ(820円)で、相変わらず高いけれど、4色しか使わないので、ピクサスに比べるとはるかにマシ。
帰宅して、早速セットアップ。ネットがダウンしていて、ドライバソフトがダウンロードできないというトラブルに見舞われつつも、その日の夜にはテストプリント。自宅の裏庭で撮影したハイビスカスの写真を印刷してみました。
う〜ん、十分きれい。最大A4までながら、スキャナーも付いているので、コピー機としても使えるし、変圧器も不要。ぐっと小さくなって、デスクも広々。これなら、もっと前に買い替えておけば良かったと思うほど。モニターやスピーカーなどの周辺機器も、フィリピン仕様に置き換わっていたので、変圧器経由は外付けHDDのみ。スパゲティ状態の配線も、だいぶスッキリしました。
ということで、最後にこれからフィリピン暮らしを始めようという人たちに教訓。電気製品は、日本から持ち込むより、こっちで買った方がいいですよ。安物ではなく、日本並みの価格の製品を。
そして、今回買い替えたのは、プリンターだけではありませんでした。実はコーヒーメーカーも。そちらの話は次回に書きますね。
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