マルチ商法(連鎖販売取引)と言えば、私がまず思い出すのがアムウェイ。高校・中学の同級生や、会社の後輩がこれにハマって、一時期、洗剤を買え、セミナーに参加しろと、しつこく勧誘を受けました。違法のねずみ講(無厳連鎖講)と混同する人も多いけれど、マルチ商法は一応合法です。
いろんなバリエーションはあっても、紹介した人が商品を買えば、紹介料や販売マージンなどの名目で報酬を得られるというのが、マルチ商法。ネットワークビジネスとか、MLM(Multi - Level Marketinhg)なんて呼び名を変えていても、法的にはマルチ商法と同じ範疇。
聞くところによると、フィリピン国内でもアムウェイをやってる人がいるらしい。広告を打たないのが特徴なので、最初は友達や親戚を巻き込むケースが多いマルチ商法。それでなくても、金銭感覚のルーズな人が多いフィリピンなので、きっとトラブルは多いでしょうね。
さて、今回私が耳にしたマルチ商法は、商材が物品ではなく旅行。会員になれば、格安で豪華な海外旅行ができます、というのが売り。もちろん誰かを紹介して成約となったら、報酬が貰えるのは、以前のマルチ商法と同じ。
検索で最初にヒットしたワールド・ベンチャーというマルチ商法会社について調べてみると、実は最初に、最低でも12万円の入会金が必要だし、格安と言っても、通常の旅行代理店と比べて極端な安さでもない。結局、年に10回とか15回は旅行しないと、元を取るのは難しいとのこと。
そこで入会金のことは伏せて、いかに充実した海外旅行を安価に満喫できたかという、「リア充」写真をフェイスブックやインスタグラムに投稿して、参加者を募るという手法になるわけです。これがフィリピン関係の日本人の間にも、散見されるようになりました。
合法とは言うものの、価格に対しての価値が不当に低かったり、強引な勧誘手法(別件で呼び出し、当人の意に反して長時間拘束する、脅す等)を使ったり、あるいはクーリング・オフや途中解約に応じなければ、当然ながら違法ビジネスとなります。現に、リゾレットという旅行を扱うマルチ商法会社には、昨年(2017年)1月、東京都から3ヶ月の一部業務停止命令が下されました。
私の(勧誘された側の)経験からすると、商材が旅行であれ洗剤であれ、マルチ商法を勧誘すると、ほぼ確実に友達を無くします。場合によっては、仕事も失います。実際にそういう人を何人も見てきました。
ネットで調べたら、これぐらいの情報はすぐに入手できる現在でも、今更のようにマルチ商法に手を染める人は、後を絶たない。どうやら、昔からの知り合いではなく、フェイスブックで1000人単位でフォロワーがいるような、カリスマ性のある人から持ちかけられるというパターン。
ということで、絶対に儲からないとは限らないし、難しさを分かった上で始める人は、どうぞご自由にと言うしかないけれど、少なくとも私には無理。始終そのことを考えてばかりになりそうだし、数少ない友達も無くしたくはありません。
やっぱり、今すぐまとまった現金が欲しい、なんて状況に置かれると、つい手を出してしまうんでしょうか?
なぜ、フィリピンでネットワークビジネスを展開させようとするのか、私には理解できません。
返信削除アジアでネットワークビジネスで金を儲けたいなら、狩場は中国本土です。(これは鉄板です。)
それとも、フィリピン在住の日本人や中国人、欧米人をターゲットにしているのでしょうか。
ネットワークビジネスをしたいなら、どんなに低くても上から3段目くらいにはいないと儲けは薄いのですが、フィリピンで加入者が見込めればの話です。
今、フィリピン経済が右肩上がりだとしても、私は狙い目の国とは思えません。
私がネットワークビジネスで誘う側として考えたとき、儲けが見えないのです。