2018年5月1日火曜日

首都圏は、遠きにありて想うもの


人口2000万、フィリピンのマニラ首都圏。
治安が悪いとか、交通渋滞が酷すぎるとか、悪口はいくらでも書けるし、日本での評判も、東南アジア各国の首都、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、ジャカルタ、....どこと比べても極めて低い評価。

その上、地方に比べると物価も高いので、住むのはとても大変そう。特に小さな子供さんが一緒となると、犯罪に巻き込まれる心配だけでなく、大気汚染に感染症など、頭を悩ませる種は尽きないと思います。フィリピーノ・フィリピーナの魅力に参って、好きで住みついた人はともかく、仕事の都合で止むを得ず住んでいる日本人も多い。

ただ、物事には裏表が必ずあって、私のような地方在住の日本人からすると、マニラには魅力がたくさんあるのも事実。

何と言っても在留邦人が多い分、日本人向けの商売が充実している。まずは、日本食レストラン。値段さえ気にしなければ、今は日本に住んでいるのと大差のない食生活ができるんじゃないでしょうか。ラーメンにカレー、牛丼、居酒屋もあるし、日本いてもなかなかお目にかかれない高級料亭もできたと聞きます。しかも連日、予約でいっぱいなんだそうな。

自炊するにも日本食材は豊富だし、日本人医師のいる診療所もある。ヘア・サロンにマッサージ、日本語の漫画が読める漫画喫茶に、家族で出かけられるお風呂屋さんなどなど。最近では日本の眼鏡チェーン、JINSが開店したというニュースも。

ネグロス島のバコロドにも、ユニクロができたり日本のラーメン屋さんが店舗を出したりで、移住した5年前に比べれば、ずいぶんと様変わり。それでも首都圏の繁栄ぶりとは比べものになりません。

自然溢れるネグロス暮らしに順応しきってしまい、マニラではとても生活できないなんて言っている私ですが、やっぱり1年に1回か2回ぐらいは、観光気分で遊びに行きたいと思ってしまいます。いくら快適でも、たまには刺激も欲しいし。

と思っていて気付いたのが、これって日本にいた頃の、東京への感じ方とまったく同じだということ。このブログでも再三書いた通り、生まれてから海外移住するまで、1年だけ転勤で横浜に、半年だけ福岡に住んだ以外は、大阪・京都・兵庫の関西地方、しかも阪急電車沿線ばかり。


デザイナーという職業上、いろんなことの流行には努めて敏感になろうとして、やっぱり目が行くのは首都・東京の動向。もちろん関西発の流行や文化がたくさんあっても、発信される情報の量が桁違い。東京出張の際は、できるだけ週末にかかるようにスケジュール調整し、1泊でも2泊でも滞在して東京の街歩きをして来いと、業務指示すらありました。もちろん宿泊費は会社持ち。こういう感覚は、東京に生まれ育った人には、想像しにくいかも知れませんね。

それでも自発的に住もうと思わなかったのは、正直なところ、関西人特有のアンチ東京的な気分があったのは確か。さらに、家賃も食費もバカ高いし、通勤電車の混雑具合は、昔から世界最悪。夏場の渋谷界隈を歩いたりすると、暑さと人いきれで目眩がしそうでした。関西にいても、なるべく人ごみは避けるようなタイプでしたからね。

ということで、日本でもフィリピンでも、私にとっての首都圏は「遠きにありて想うもの」だと、決まっているようです。


1 件のコメント:

  1. 住んだことがある大阪も福岡も、田舎だとは思わないですが、東京と比べると人口も街のサイズも桁が一つ違いますね。感覚的には、大阪、京都、神戸とその周辺部を全部合わせて、ようやく23区と同等レベルぐらいだと思います。

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