2018年1月25日木曜日

3年目の豪邸建設

ここネグロス島シライ市内にあっては、一番の高級住宅地セント・フランシス・サブディビジョン。中でも私たちが自宅を構えたフェイズ・エグゼクティブは、最低2ロット300平米が購入条件。投資目的の人が多かったのか、10年前には完売したはずなのに、まだまばらにしか家が建っていません。

高級住宅地だ、エグゼクティブだと、自慢したいわけではなく、私がフィリピン人の家内名義でこの宅地を買った時は、まだこの区画しか整備が終わっておらず、他に選択肢がなかった。また、車で10分もかからない新しい空港も出来る前だったし、今ほど景気も良くなかったので、2ロットでも100万円に届かず。なので、一介のサラリーマンがオーナーになれたのです。

さて、そんなフェイズ・エグゼクティブでも、ここ数年ぐらいは、ちょっとした新築ラッシュ。そして我が家のすぐ近くで建設中の家は、正真正銘の富豪が施主らしい。一度だけ、その人が車から降りるところを、チラっと見たことがあります。

アメリカ人男性で、年齢は私と同世代の50歳前後という感じ。ラテン系で褐色の肌と白いものが混じり始めた頭髪と立派な髭。堂々たる体格で身長は190センチはありそう。まるでジェームス・ボンドの映画に出てくる、大金持ちの悪役といった風情。私のような、日本〜フィリピンの経済格差のお陰で成りすました、ナンチャッテ小金持ちとは訳が違う。

住宅の規模もすごくて、4ロット600平米を丸々使いきったレイアウト。フィリピンの個人住宅ではあまり見たことがない一部3階建て。外装もかなり凝っていて、デコラティブなタイルを贅沢に使い、白い窓枠がお洒落。規模は比べものにならないとは言え、自分で一軒建てた経験から、どれだけの費用をかけているか想像できるだけに、感心することしきり。




問題は工期。実はこの状態になるまで、着工から約1年半、足掛け3年もの時間がかかっています。ちょうど去年の今頃に、ほぼコンクリート打ちが終わった状態だったので、普通に工事が進めば、いくら手の遅いフィリピンの大工さんでも、8月ぐらいには完成しても良さそうなもの。



去年の1月に撮影

この豪邸の隣人で、家内の高校からの友人ナンシーによると、建築業者との間にトラブルがあったらしい。道理で途中で何ヶ月も工事が止まっていたわけだ。

建て始めてから、当初の見積もりとは懸け離れた追加費用を請求されたり、大工や職人が、これと言った理由もないのに現場を放棄して、行方不明になったりする話は、時々耳にします。

特にこの家のように、施主が外国人で、たまにしか現場を見に来ないような案件は、リスクが高い。我が家の場合、市役所の建築関連担当者の義弟から紹介してもらった、かなり信頼できる大工さん相手。しかも日本の一級建築士である私の実父と私自身が、毎日付きっ切りでも相当危なかったぐらい。丸投げの放置にすればどうなるかは、実感として分かります。

3年目にして、ようやくその威容を現した豪邸。ここは関係者の苦労を偲び、素直にその完成を祝いたい。この様子だと、インテリアも相当なレベルだろうし、施主の懐具合からして、新居の祝福パーティ(神父さんを呼んで聖水をまき、親類縁者や隣近所の人を招くお祝い)は、さぞや盛大に行われると思います。久しぶりに豚の丸焼き、レッチョン・バボイのご相伴に与れるかも。もうすっかりフィリピン人の感覚になってますね。


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