2018年1月4日木曜日
フィリピン通いの同族嫌悪
1月1日付けのまにら新聞に、60歳の日本人男性が、バコロド(私たちが住むシライ市の近隣)市内で、ネットで知り合った25歳のフィリピン女性に、30万円を盗まれるという記事が掲載されました。
正月早々、本当に嫌になるような話。無料で読める記事はこれだけの範囲で、前後関係や詳しいことは、まったく分かりません。
被害者は旅行者だとのこと。よくあるのは、出会い系サイトで知り合い、相手のフィリピン女性がたまたまバコロド在住者。では一度会いましょうとなって、日本人男性はわくわくしながらフィリピンにやって来て、男女の関係になってしまう。
そしてこれもよくあるのが、女性から、家族が急病になった、または事故にあった、お金が必要なので、どうか助けてください...で、お金を渡したら、そのままドロン。この30万円というのも、この手の詐欺では、なぜか判で押したようにこの金額。ちなみに身代金だと300万円となるそうです。日本人なら出せるであろう最高金額がこれぐらいと、フィリピンの犯罪者の間では常識になっているんでしょうか?
もちろんこの筋書きは、今までフィリピンで見聞きしたことから、私が勝手に考え出したフィクション。実際は、止むを得ない事情があったのかもしれません。記事全文を読んだ人がいたら教えていただきたい。
ところがフェイスブックでの、この記事へのコメントが、実に情け容赦ない。
「自業自得。よく届けにいったなぁ。かっこわり〜」
「お馬鹿だね!! 甘い話は無いでしょ!」
「恥さらしなジジイだな〜」
「鼻の下伸ばすからw」
これ以外に、もう少し同情的なものありましたが、だいたいこんな調子で、言いたい放題。いずれにしても、私が想像したストーリーと同様だと決めてかかった上で、頭から馬鹿にした、上から目線。
コメントを書いているのは、まにら新聞を読むぐらいだから、フィリピンに住んでいるか、フィリピン渡航歴がある人たちでしょう。そしておそらく男性ばかり。騙されたかどうかは別にしても、フィリピンに来た目的は、この被害者と同じような人ばかりじゃないかと思われます。
これは、近親憎悪と言うか同族嫌悪も甚だしい。たとえ女性を追いかけてきたのではなくても、何かと犯罪のターゲットにされやすいフィリピンでの日本人。ちょっと油断したら、いつ自分が、まにら新聞で被害者として記事に載ることなるか、知れたものではありません。
どうも、こういう風潮は、最近の日本ではひどくなっている感じがします。典型的なのはヤフーニュースのコメント。水に落ちて溺れている人に、さらに石を投げつけるようなメンタリティは、人間として終わってるとしか思えない。
さらに最近の日本で気になるのは、本来、権力者立ち向かうべきジャーナリストが、強者にへつらい、弱者を叩くような記事を書いていること。生活保護受給者や、糖尿病患者へ「自己責任」「自業自得」という言葉をぶつけるのと、相通じるものがある。
何かにつけ、フィリピン人は、日本人より劣っていると暴言を吐く日本人がいますが、少なくとも困っている人への同情心は、フィリピン人の方がずっと多量に持っている気がします。このコメントを書いた人たちは「惻隠の情」という言葉を知っているでしょうか?
ラベル:
難儀な日本人
場所:
フィリピン バコロド市
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