2018年1月21日日曜日

サント・ニーニョ 幼きイエス



今日1月21日(1月の第3日曜日)は、サント・ニーニョ(Santo Niño)「幼きイエス」のフィエスタ(お祭り)。これは16世紀、スペイン王の命を受けて、ヨーロッパ人として始めてフィリピンに到達した、ポルトガル人探検家のフェルディナンド・マゼランが、サント・ニーニョの像をセブ王フマボンの妃に贈ったことに因むものです。この時、王を含む400名のセブ人が洗礼を受け、カトリックに改宗。

その後マゼランはセブの隣島でフィリピンの英雄ラプラプとの戦いで戦死。その44年後に、ミゲル・ロペス・デ・レガスピが征服者としてスペイン兵を率い、セブの街を占領。その時にマゼランが贈ったサント・ニーニョ像が民家から発見され、その場所に現在のサント・ニーニョ教会が建てられたそうです。

これがフィリピンでのカトリック信仰の起源とされ、戦火を免れたサント・ニーニョ像は、奇跡を起こす力があると信じられるに至りました。地元セブではこの日、シヌログ祭としてパレードなどがあり、300万人もの人々が集まるフィリピン最大のお祭り。またセブだけではなく、フィリピン各地で催事が行われ、ここシライでも市役所前の広場で花火が打ち上げられたり、屋外ディスコで深夜まで騒いだり。

このような経緯で、サント・ニーニョは、ローマ法王も認めるセブの守護聖人になりました。ついでに言いますと、日本の守護聖人はカトリックをもたらしたフランシスコ・ザビエル(私の洗礼名でもある)で、守護天使はミカエル大天使とされています。

こういう話を聞くと、フィリピンの一般家庭やタクシーの中にまで、サント・ニーニョ像が飾られている理由がよく分かります。こちらでは、居間や庭に祠を設けて聖人の像を飾るのが一般的。我が家では私の好みで、フィリピン全体の守護聖人でもある聖母マリア像を置いてますが、どちらかと言うとサント・ニーニョの方が人気のようです。

現在は、サント・ニーニョ教会の中に安置されている、オリジナルの像。私たち家族が移住した年に、私の移住ビザ取得の手続きでセブの入国管理局に行った時に、ここに立ち寄って、この像を拝みました。




そして3年後の2021年は、フィリピンへのカトリック伝来500年。今朝のミサで神父さまが説教の中で話していました。将来の計画について考えるのが、あまり好きでも得意でもないフィリピンの人々が、3年も前から話題にするぐらいだから、よほどの大騒ぎになるんでしょうね。今から少し怖い気もします。


出典:Cebu Daily News

セブ島北西部のトゥブラン町でのサント・ニーニョ祭で撮影された写真。お祭りのクイーンに選ばれた女性が、我が子のように像を抱きしめる姿と、その後ろで直立不動の姿勢で立つ男性が、私にはフィリピン人のカトリック信仰を象徴するように思えました。


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