2018年1月28日日曜日

まにら新聞からのメッセージ


フィリピンに住んでいたり、頻繁に渡航する日本人なら、一度は紙面を見るか、ネット上でその記事を目にしたことがあると思われる「日刊まにら新聞」。フィリピン国内から発信される、数少ない日本語による情報源です。

その歴史は比較的新しく、東南アジア初の日刊邦字紙「Kyodo News Daily」として、共同通信の記事を主体としてスタートしたのが、1992年。4年後の1996年には「まにら新聞」に名前を改め、独自取材・編集の記事をメインとした紙面作りへと移行。

私が業務出張で初めてマニラを訪れたのが、1995年。その後、仕事とプライベートの両方で頻繁に来比するようなり、ホテルの売店に置かれているまにら新聞を、よく購入したものです。当時はてっきり老舗の邦字紙だと思ってましたが、その時にはまだ、発刊して数年だったんですね。

そして移住してからも、まにら新聞のサイトには、グーグルのニュース一覧や、フィリピン国内の英字新聞と並んで、頻繁にアクセス。このブログの元ネタにも活用。日本のマスコミでは報道されないような、在留邦人関係の行事や事件・事故をきめ細かく網羅しているので、本当に重宝しております。

さて、フォローして毎日読んでいる、フェイスブック(以下FB)内のまにら新聞ホームページ。最近、鬱陶しいことがありました。日本のテレビでも紹介され、ネット上でちょっとした騒ぎになっている、マニラ市内に建立された、いわゆる慰安婦像。この出来事に関しては、私も思うところがありブログにも書きましたので、興味のある方は、そちらをお読みいただくとして、問題は、その記事に付けられた読者からのコメント。

数名の人が、追加の記事が出るたびに、繰り返しコメントを書いている。それはいいとしても、その内容がひどい。記事への意見とか感想に名を借りて、ひたすらヘイトスピーチ。フィリピン・中国・韓国とその国民へ偏見、差別、侮辱、を書き殴っている。知的レベルも最低で、もう子供の喧嘩みたいな調子。

正直に言って、私もフィリピンの日常生活ではイラつくこともあるし、中国や韓国政府の反日むき出しの態度、ソウルの日本大使館の前や無関係な第三国内に慰安婦像を置くという、アクの強いやり方には、少々うんざりしています。過去の日本の行いを正当化する気は毛頭ないけれど、こういう徒らに感情を刺激する方法は、問題解決を難しくするだけだと思いますよ。

だからと言って、感情的になって侮蔑の言葉を吐くのは、もっと程度の低い行為。自らの幼稚さを公言しているようなもの。しかも日本語で同じ日本人に対して発言しても意味がない。どうせ喧嘩を売るなら、ちゃんと理論武装して、タガログ語か北京語、ハングルぐらい習得して、相手の土俵でやれと言いたい。そこまでやったら、いい度胸だと褒めてあげますよ。

とにかく心静かに、まにら新聞の記事を読みたいのに、ドギツイ言葉で汚されたコメント欄を見たくはありません。まぁFB内のことなので、嫌ならブロックすればいいのですが、あまりに腹立たしいので、FBの事務局に通報すると同時に、まにら新聞へも「何とかしてください」とメッセージを書きました。

すると数時間もしないうちに、こっちが恐縮するような丁寧な文面の返信が。やっぱり、まにら新聞の編集者の方も、差別的コメントを苦々しく思っておられたようです。そりゃそうでしょうね。こんなコメントばかりになったら、その意図はなくても、まにら新聞の編集方針として、差別や偏見を黙認しているように見られてしまう。

このやり取りがあった翌日。次のような告知文が掲載されました。


そして、問題があると思われたコメントは、きれいに削除。メッセージの内容といい、対応の迅速さといい、実に素晴らしい。益々まにら新聞のファンになってしまいました。これは、タダで立ち読みするだけじゃなくて、ちゃんとお金払って購読するべきですね。


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