2018年1月8日月曜日

クリスマスイブに見る天の川

もう二週間以上も経ってしまいましたが、今日はクリスマスイブのお話。フィリピン人のクリスマス好きは、このブログで何回も取り上げて来ました。それに関しては、もうお腹いっぱいという感じなので、今日はお祭り騒ぎのことではなく、宗教行事としてのクリスマスイブについて。

イブとは言うまでもなくイブニング、夜のこと。なのでクリスマスイブとは、クリスマスの前夜祭だと思っている人が多い。前夜祭にパーティして騒いで、翌日のクリスマスは教会へという感じなのでしょうか。ところがこれは勘違い。

そもそもキリスト教の母体となったユダヤ教。ユダヤの習慣では、1日の始まりは朝ではなく日没。つまりクリスマスイブとは、まさしくクリスマスの始まり。イブのミサこそがクリスマスの宗教的祝祭の中心なんですよ。通常フィリピンでは当日、このミサが終わるまで飲食は控え、家族揃って夜のミサに与り、その後にパーティで、主イエスの御降誕を喜び、大いに飲み食いをするのが正しい姿。

日本では何をどう解釈したのか、いつしかクリスマスイブは、恋人同士が二人だけのディナー。そしてベットを共にするのが、当たり前のように思われています。それって完全にセント・バレンタインズ・ディと混同している。カトリック信徒にとっては、どちらかというと日本のお正月のようなもの。セックスがダメというわけでもないけれど、やっぱり家族や親戚が一堂に集うお祝いのイメージが強い。

さらにフィリピンでは、クリスマスに先立つ9日前から、「ミサ・デ・ガロ」Misa de Gallo(雄鶏のミサ)という早朝ミサが始まります。「シンバン・ガビ」Simbang Gabi(タガログ語で夜のミサ)とも呼ばれ、クリスマスまで毎朝、夜明け前の4時とか5時に教会でミサ。これはフィリピンやスペイン、プエルトリコなどの風習らしく、日本のカトリックでは聞いたことがありません。

この期間フィリピンでは、テレビやラジオなどを通じて、ミサ・デ・ガロに参加しクリスマスに備えるよう、呼びかけがあります。これが始まると、それまでのお祭りムード一色だった街の雰囲気が、にわかに宗教行事の色彩を帯び始める。まぁそう感じるのは、私がカトリック信徒だからで、信徒ではない日本人には、何も変わらないのかも知れませんが。

と言いつつ、私はこの早朝ミサに与ったことがない。ミサ・デ・ガロに行こうとすると朝3時半ぐらいには起きないといけなくて、逆算すると、前夜は8時ぐらいに就寝することになり、ちょっと主夫の身には厳しい。家内もクリスマス直前まで仕事なので、毎年せいぜい1回か2回ぐらいしか無理なようです。でも、フィリピン暮らしも6年目だし、次回は頑張って早起きしましょうか?

さて、昨年のクリスマスイブも、我が家では例年通り、最寄りの神学校付属のチャペルで、午後7時のミサに与りました。今シーズンは、数日前まで台風の影響があり、天候が危ぶまれたものの、当日は見事に回復。無事にクリスマスイブを祝うことができました。





美しく飾りつけられた
クリスマスイブのチャペル

そして、教会から自宅までの徒歩約15分ほどの帰路。何気なく空を見上げると、満天の星。田舎のネグロスでも、平地でこんなに見事な星空は、よほど好条件に恵まれないと、そうそうお目にかかれません。おそらく年に数回程度。

この夜は単に星の数が多いだけでなく、天の川がはっきり見えました。まさしく天空の大河。手持ちのiPhoneのカメラでは写せないのが残念。自宅玄関前で、しばらくアホのように空を見あげてしまった。

日本では冬の星座として有名なオリオン。真夏並みの気温でオリオン座を眺めるのも不思議な感じ。しかも、オリオン座の背景には、こんなにたくさんの星があったんですね。こうなると日本で見るのとは、まったく別物。

まさに救い主の誕生を祝うのに相応しい、2017年のクリスマスイブでした。


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