2018年3月18日日曜日

建設ラッシュが止まらないネグロス島


先週、ネグロス島シライ市内で、初めてのショッピング・モール、ガイサノの開店について書きました。これだけではなく、ここ何年か、シライと州都バコロド、隣街のタリサイの3市の通称メトロ・バコロドでは、建設ラッシュが止まりません。

私たち家族が移住してからの5年で、知っている範囲だけでも、空港とバコロド市街地を結ぶバイパス道路、アヤラモール(タリサイ)、SMシティの大規模拡張(SMX)、高層建築のコンドミニアム、大型プールリゾート、太陽光発電所などが相次いで竣工。中小規模の商業施設の新規オープンは数え切れないほどだし、バコロド市内の幹線道路「ラクソン・ストリート」では、大雨時の冠水被害緩和のための排水管敷設工事も。

今年(2018)中に完成・オープン予定では、バコロド市内のアヤラモール、バコロド港の新ターミナルビル、シライ郊外のテーマパーク、そして温泉リゾート・マンブカルには、4階建てのホテルが。

私にとっては「いつか来た道」。高度経済成長からバブルに至る、50〜30年前の日本を早回しで見ているような錯覚に陥ります。建設資材を積んだトラックが、子供の通学路付近でもお構いなしにガンガン走るのは、まさに昭和40年代の光景。公害もすごかったですね。

バブル後の閉塞感の時代を、社会人として生きてきた私は、手放しで喜ぶことができません。どうしても、一時帰国の時に見る、故郷尼崎の阪急塚口駅前「塚口さんさんタウン」の寂れ方を思い浮かべてしまいます。

1978年(昭和53年)私が中学生の時に、駅前再開発の掛け声でオープンした、ダイエー主導による3棟の駅前ビル。開店当初はものすごい賑わいで、夏休みなど子供が入り浸ってました。映画館やゲームセンター、市役所の出先窓口もあって、一時期はわざわざ大阪まで出なくても、たいていの買い物や娯楽は、塚口駅前で完結。

ところが、バブル期の高級品志向に、まずダイエーのビジネススタイルが色褪せて、バブル崩壊が息の根を止めた感じ。屋上の遊園地は閉鎖され、レストラン街は土日でも人影がまばら。食材や日用雑貨の購入以外では、足を踏み入れることが稀になってしまいました。

経済発展の経緯が、日本とはまったく違うフィリピンなので、日本で起こった地方都市の没落がそのまま再現されるとは限らないけれど、この国で老後を過ごそうとする身にとっては、そう楽観的にもなれません。

しばらくは景気後退がないとしても、静かで人が多すぎず、まだまだ自然がいっぱい残っているシライ市。便利になることと引き換えに、治安が悪くなったり、渋滞に悩まされたりでは引き合わない。

どの国でもそうですが、一度走り出した経済発展は、適当なところで立ち止まって様子を見る、という具合にはいかないものらしい。どういう形であれ、やっぱり行きつくところまで行っちゃうんでしょうね。


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