先週末(2021年2月21日)には、 台風1号、フィリピン名アウリンがネグロス島直撃コースで、南東海上から接近していましたが、どういう風の吹き回しか、上陸寸前に勢力が弱まって熱低に格下げ。レーダーや衛星からの写真を見ても、雲がほとんど無くなって消滅しちゃったようです。
私を含めて、被害が出るかもしれなかった、ミンダナオ島やビサヤ諸島の住民にとっては、喜ばしいながら、少々呆気に取られたというのが正直ところ。こんなこともあるんですね。
でもやっぱり、ここネグロス島のシライ市では、前夜から相当量の降雨で、水捌けの悪い自宅前の道は午前中いっぱい冠水。我が家のメイド、ライラおばさんの住むバランガイ(最小行政区画)も床上浸水で、掃除のために月曜日は欠勤。
ただ、これがしつこい長雨の断末魔だったようで、午後からは、まるで日本の秋口のような雲の隙間から、台風一過の真っ青な空と、熱帯の強い日差しが戻って来ました。
2月の前半は、これに騙されて、翌日にはまた鬱陶しい梅雨空だったけど、一週間経った今日まで、夏日で30度越えが続いております。どうやら、今度という今度こそ、本格的な夏、乾季が到来した模様。やれやれ。
こうなると、少々の暑さの中でも、出歩きたくなるのが日本人のサガ。わざわざ「日本人」なんて大きな主語で書いたのは、フィリピンの人たちは、まず、炎天下では歩かないから。外に出るのも嫌がるし、仕方がない時は、トライシクル(オート輪タク)が必須。自前の両足で歩くのは、貧乏人しかいない。
ということで、久しぶりの散歩を兼ねて、徒歩15分ほどのシライ中心部まで行ったのが、前回投稿した、ブログ広告費の受け取り。もう移住して8年なのに、途中で熱帯の花が満開になっているのを見ると、つい手持ちのスマホで写真をパチパチ。
ハイビスカスやブーゲンビリアは、熱帯の花として日本でも知られているし、もうしばらくしたら、遠目には大樹が燃えているように見える火炎樹も見頃。そんな大ぶりで派手なイメージの強いフィリピンの花ですが、地元で人気なのは、もう少し控えめなバホバホ。
例えてみるなら、ミス・ユニバース級の、彫りの深いメスティーソ系ナイスボディのお姉さんたちの中にひっそり佇む、CMデビュー当時の宮沢りえちゃんか、写真集を出したころのビビアン・スーちゃんのよう。(例えが古過ぎて恐縮です。ちなみにビビアン・スーは、「台湾の宮沢りえ」と呼ばれていた時期があったそうです。)
花のサイズは、日本の紫陽花よりやや小さいぐらい。美しいというより、愛らしいとか可愛いという形容詞が似合う。それでもさすが熱帯植物で、花びらの色は鮮やか。一つの株で何種類もの色が楽しめる。
そんな可憐な花なのに、なぜか名前がバホバホ(Bahu Baho)。バホ「Baho」って、イロンゴ語(西ネグロスの方言)で「臭い」という意味なんですよ。以前、息子の小学校の庭に咲いていたのを、写真に撮ってフェイスブックにシェアしたら、家内が笑いながら教えてくれました。実際、花らしからぬ悪臭がするらしい。言われて、鼻を近づけて嗅いでみたけど、全然分からないけどなぁ。
まぁ多少、香りに難があっても、クサいなんて名前を付けなくてもいいのに。これって、シクラメンが和名「豚の饅頭」なのと似てるかも。こちらは花ではなく、球根を豚の餌にしてたからだとか。「ブタノマンジュウ」では、あの名曲「シクラメンのかほり」も、ぶち壊しになってしまいます。