考えてみれば、4月からゲストハウスを建て始めたし、5月後半は日本への一時帰国。時間がないわけではなかったけれど、何となく気忙しく、ゆっくりイラストを描く気分になりにくかったんですよ。
セクシーなフィリピン美女を、長らくお待ちいただいた諸兄には申し訳ないことに、今回は肌の露出は最低限に抑えております。何故ならば、モチーフが聖母マリアさま。いくら不良カトリック信徒の私でも、かなり襟を正して取り組まないといけません。
実は以前にも、マリアさまの絵を2回も描いたことがあります。ただ、今見直すと、技術的にずいぶん稚拙で「習作」のレベル。まだまだイラストアプリを使いこなせてませんでした。なので、いずれ再々挑戦しようと、何年もタイミングを計ってきました。
折しも、日本にいた頃から愛用しているマックブック・プロ(アップル製のラップトップパソコン)が使用7年目を迎え、そろそろハードもソフトも限界に。さらに「これがなくては、何にも描けない」というほどイラスト描きで依存しているアプリ、アドビー・イラストレーターが、サポート終了して数年も経つ型落ちバージョン。
一時帰国を機に、パソコンもアプリも大枚叩いて総換えしてから、最初の美女図鑑なので、ここはちょっと気合いを入れて、満を辞してのマリアさまご降臨をお願いしようと相成りました。
と、ずいぶんと煽りましたが、作品自体は至ってシンプル。フィリピン美女ということなので、マリアさまのお顔はラテン系の濃い目にアレンジしたぐらいで、衣装も背景もオーソドックスに。
マリアさまの衣装と言えば、カトリック系の宗教画では「青」と相場が決まっております。もちろん聖書に色彩の記述があるわけではなく、中世ヨーロッパの画家が高貴な色と考えたのが、金よりも貴重とされたラピスラズリ由来の青、ウルトラマリンブルー。
いつの頃からか、聖母マリアの着衣には、この青を使うのが一種の決まりのようになったらしい。なので、「マドンナブルー」という色名までできたそうです。もう一つ、マリアさまを象徴するのが白百合。マドンナブルーと白の組み合わせは、言わば、聖母像を描く時の定石の色使い。
そして聖人の頭上には光輪ですね。これは日本でもお馴染み。ポーズは手を合わせて、一番安定する三角形の構図にすれば、もう誰が見てもマリアさま。
ところが実際に描いてみると、エキゾチックな表情に髪を隠すベールをまとうと、何となくイスラム女性にも見えるから不思議。また、構図とポーズのせいか、菩薩像にも通じる雰囲気があります。
やっぱり宗教的なもの、聖なるものを表現しようとすると、どこかしら似たようなイメージになってくるのかも知れませんね。
描画で苦労したのは、何と言ってもマドンナブルーの衣装。布の量が半端なく多いし、いつもの体にピッタリではなく、ゆったりと波打つベール。こんなに面倒なことになるとは、予想外でした。
過去の「私的フィリピン美女図鑑」は、こちら。
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2019年
やはりブルーは清い色ですね。
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