年中暑くて湿気は多い。樹木もいっぱいのフィリピンなので、自然の状態でもシロアリが多いのは、移住前から分かってたんですが、いざ自宅にシロアリが出たら、やっぱり驚きますね。
実は、新築工事の前、敷地の端っこに子供の背丈ぐらいある、蟻塚があったんですよ。蟻塚と言っても黒いやつじゃなくて、シロアリの。大工さんたちは慣れたもので、一斗缶に入った殺虫剤を買ってきて、シャベルで塚を壊しながら散布。あっという間に更地にしてしまいました。
それから工事が竣工して、新しい家に住み始めてからもう7年以上。シロアリの姿を見ることなく過ごしてきたのに、母屋ではなく、一昨年裏庭に建てた、離れのゲストハウスにシロアリ被害が出てしまった次第。同じ敷地に、同じ素材、同じ工法で建てた家で、方や7年なんともなく、ゲストハウスだけ1年そこそこでシロアリが巣を作ったのは、おそらく、しばらく人が住んでいなかったからでしょう。
ちょうど1年前に、コロナ禍が原因で、宿泊中だった日本人ゲストが全員退去となり、ただ一人残っていた、地元在住日本人の方も、ゴールデンウィーク頃には帰国。それから私が、隣家の騒音でゲストハウスに居室を移すまでが、約5ヶ月間。
もちろん、ずっと閉め切っていたわけではなく、毎朝窓を開け放ち、空気の入れ替えはしてました。ただ、死角だったのが押し入れ。一般的なフィリピンの住宅では、あまり日本的な押し入れってないんですが、私が自分で設計した、昔の実家を再現した間取り。襖の代わりにアコディオンカーテンをつけた押し入れが、三箇所あります。
最初にシロアリを見つけたのが、そのうちの一つ、リビングの押し入れ。ここには使っていないベッドのマットレスを仕舞っていて、ちょっと陰干しでもしようと、アコディオンカーテンを開けた時でした。
鉄筋コンクリートのラーメン工法なので、木材を使っているのは、ごく一部。シロアリは、その限られた木材である、押し入れの間仕切りに巣食っていました。とは言え、見た目には、それほどひどいわけでもなく、間仕切りとタイルの床に隅っこに、長さ数十センチの通り道ができている程度。
早速、シロアリごと巣を掃除機で吸い取って、近所の建材店で購入した、ノズルのついた噴霧式の殺虫剤を散布。数日は押し入れの中身を全部出したまま、カーテンを開けっ放しにしてました。
おそらく一回で終わらないだろうとの予測通り、3回ぐらい、少しづつ場所を移動しながら、巣作り〜駆除を繰り返し、1ヶ月ほど経過して、もう大丈夫かなと安心し始めた昨日。今度はリビングの裏側にある、私が寝起きしているベッドルームの押し入れがやられました。
それも床だけではなく、押し入れの中に置いていた、木製の引き出しに侵入。あろうことか、私のパスポートがシロアリの巣に。どっひぇ〜〜。
さすがに軽くパニックになって、掃除機を振り回して大騒ぎ。シロアリって木だけじゃなく、畳やコンクリートさえ食料にすると聞いたことはあるけれど、紙も食べちゃうんですね。まぁ紙の原料は、木材のチップなので当たり前か。可哀想なパスポートくんは、満身創痍のボロボロ状態。
この引き出しは、結構頻繁に開け閉めしているので、せいぜい一週間以内でこうなったようです。今までの感じからすると、数日ぐらい間だったのかも知れません。いずれにせよ、シロアリを吸い取った後は、例によって殺虫剤散布で押し入れは満開でしばらく放置に。
本来は、パスポートはここではなく、母屋の2階が保管場所。たまたま2月にアニュアル・レポート(フィリピンでの永住ビザの年間手数料支払い)で使って、こっちに置いたままにしてたのを、狙い撃ちされた格好になりました。
このままでも、セロテープで修理したら、使えなくはないけど、コロナ禍が終息後に、セブの日本領事館で再発行してもらった方がいいでしょうね。
というわけで、フィリピンに住むと、虫がらみのネタには事欠きません。自宅建設中に住んでた借家では、棚にあった映画「インディー・ジョーンズ」のDVDボックスのケースに、黒い方のアリが住みついてたこともありました。移住してまだ数ヶ月の初心者だったので、肝を潰したものです。