2021年5月29日土曜日

新しいテレビ

 2年前、居間で使っていた東芝製50インチのテレビが、突如として「プツン」とお亡くなりになって、それまで寝室に置いていた43インチのソニー・ブラビアが居間へお引越し。買ったのはソニーの方が先で、その時ですでに6年目。東芝のは4年ぐらいしか持たなかったことになります。何だか、作った会社がすっかりダメになったのと連動しているみたいで、寂しい限り。

ちなみに私、日本にいた頃はパナソニックでテレビ開発に携わっておりまして、本当ならP社の製品を選びたかったのですが、どうやらフィリピン市場は諦めちゃったらしく、ここネグロスでは、P社テレビが見つからなかった。

ただし、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの白物では頑張っているパナソニック。扇風機の販売では、ひょっとするとフィリピン唯一の日系メーカーかも知れません。なのでテレビ以外の家電は、極力Pで揃えている我が家です。

それはともかく、寝室にテレビがないのは不便なので、同じブラビアブランドの、やや小さめ36インチを購入。小さめなんて書きましたけど、私がテレビを担当していた1990年代は、まだブラウン管が主流。メインテレビは32インチで、36インチなんてかなりの高級品。1インチ1万円の時代ですから。

それが20年後のフィリピンでは、価格は確か2万ペソぐらい。せいぜい5万円足らず。購入先のSMバコロドの量販店で一番目立つところに置かれているのは、韓国や中国のブランド。電気店と言えば、一時は日本メーカーの独壇場だったのに、時は流れたんですねぇ。

その中にあって、一人、気を吐くジャパン・ブランドのソニー。もうメイド・イン・ジャパンは謳えなくても「ジャパン・クオリティ」は、まだ何とか価値があるようです。私にすれば、かつて最強のライバルだった会社の製品を、続けて愛用するとは想像もしませんでした。

そして去年から始まった、コロナ禍。フィリピンでは日本以上に外出規制が厳しく、一年前には、ここネグロス島のシライでも、ロックダウン(都市封鎖)を経験。中学生の息子は丸一年以上登校できず、オンライン授業。自然と家族全員が家にいる時間が長くなり、ネットフリックスに加入したのが、この時期でした。

そうなると俄然注目を浴びたのが、36インチテレビ。リモコンには当然のように「Netflix」「YouTube」のボタンが並び、Wifiにつなげば、すぐに視聴できる。こんなことなら、36インチじゃなくて、43インチにすればよかった。残念ながら、移住直後に買った43インチは、まだスマートTVではありません。

さすがに20畳以上もある居間で36インチは、ちょっと小さ過ぎ。家内など一人でテレビを見る時は、ソファとテレビの間に別の椅子を持って来る始末。仕方ないなぁ、じゃもう一台大きいのを買うか、となったのが先週のお話。

本来なら、別にテレビを買わなくても、セットトップボックスと呼ばれる、ネット経由のストリーミングサービスを受信できる、小さくて安いチューナーで事足りるはずが、なぜかネグロスの電気店やパソコン・携帯ショップでは取り扱いがない。

通信会社のグローブが、それらしきものを販売しているけれど、ネットでしか売ってなくて、かなり面倒。それだけでなく、新しいのを居間に、玉突きで古いのを私の寝室に、という算段もありました。

というわけで、買っちゃいました。値引きして2万7千ペソの、最新式43インチのブラビア。8年前のと比べると、画面周りのフレームがすごく細くなり、本当に画面だけの印象。中身はもっと様変わりして、アナログ地上波やケーブルTVより、ネット視聴が前提の「アンドロイド・TV」という名称。つまり、グーグルの下請けみたいな感じ。何より嬉しかったのは、操作言語に日本語が選べたこと。さすがグーグル、これは助かる。

しかし、衛星放送や、ネット経由のストリーミングだけなら、セッティングは簡単でも、田舎のシライは、まだ20世紀のケーブルTV。チャンネル設定がどこから入るのか分からず、息子と二人で半時間ぐらい悪戦苦闘。そんな苦労の甲斐あって、居間では以前と同じく大画面、私の寝室でもテレビでネットフリックスが楽しめるようになりました。携帯で見るよりすっと楽。

翌日ふと思いついて、しばらく使っていなかったApple TVを接続したら、何と、これでもネットフリックスが視聴できたことが発覚。うわぁ〜、なんじゃそりゃぁ〜。それなら古い43インチで、良かったんやぁ〜。




2021年5月27日木曜日

一年後のリターンマッチ

 久しぶりにパッキャオ(フィリピンを代表する国民的ボクサー)が、今年(2021年)8月に試合をするそうですね。でも今日のその話じゃなくて、我が家の飼い犬「ゴマ」のこと。

乳離れしてすぐのゴマが、我が家にやってきたは、もう4年前。(仔犬のゴマ)人間の年齢に換算すると30歳過ぎになるらしい。雄犬なので、立派なオっさん犬。

大抵の犬がそうであるように、仔犬の頃は本当に可愛くて、我が家の来客や親戚のアイドル状態。私も当初は、頻繁に写真を撮り「今日のゴマ」と題して、フェイスブックに投稿してました。


仔犬時代のゴマ

オっさんになった今でも、可愛いと言ってくれる人もいるものの、当の飼い主である私にすれば、最近やたらと無駄吠えが多く、あんまり可愛いとは思えない。もちろん虐待しているわけではなく、餌はちゃんと1日2回与えて、毎日の散歩は欠かしません。連れて行くのはメイドのライラおばさんか、中学生の息子ですけど。

一般庶民の感覚からすれば、かなり大きな家を建ててしまった手前、一応、番犬らしきものを置かないと、夜間は少々物騒な、ここフィリピン・ネグロス島。敷地への侵入者に吠えるのはいいとしても、家の前を誰かが歩いたり、車やバイクが通りかかっただけで、吠えまくるゴマ。特に、他所の犬が散歩してたりすると、吠え方に殺気がこもってます。

これは完全に躾をしくじりましたね〜。

昼間ならまだしも、時々、深夜や早朝に火がついたように吠えだすゴマ。それでなくても還暦間近で、眠りの浅い今日この頃。朝5時とかに叩き起こされると、もう二度寝ができません。度が過ぎる時は、犬小屋代わりのケージに放り込んで、鍵をかけることもしばしば。数日に一度は、何時間か閉め込まれているのに、ゴマはちっとも学習する気配もなく、同じことの繰り返し。

それでも、たまに構ってやると、すっごく嬉しそう。まぁ、生き物を飼うというのは、こういうことなのかも知れません。少々寝不足になっても、寿命を全うするまでは、付き合うしかないか...。

という具合に、人に対しても、他の犬に対しても、著しく社会性に欠けてしまった、オっさん犬のゴマ。中でも、近所に住む、家内の友人ナンシーの飼い犬が、宿命のライバルと呼びたくなるぐらいに仲が悪い。

実は一年前の2020年5月。ライラが散歩中にリードが外れて、このライバルと噛み合いの大喧嘩。私は直接見ていませんが、戻ってきたゴマは、右前足から相当な出血。ゴマよりだいぶ小さなライバルなのに、ボロ負けを喫したようです。ただ、怪我そのものは、見た目ほど大したことはなく、翌日には普通に走り回っていました。(飼い犬同士の大喧嘩

そして、ちょうど一年が経った先週の日曜日。今度は息子がゴマを散歩に連れて行った時に、同じく散歩の最中だったライバル犬と鉢合わせ。リードを持つのは、先方はナンシー、こっちは中学生の息子。激昂したライバル二頭を抑えるには、二人ともちょっと力不足で、期せずして一年目のリターンマッチ。

息子はリードを引っ張られた弾みで、両膝を地面についてしまい、名誉の擦り傷。犬の方は、近くにいた使用人のオジさんが引き離したそうです。翌日、ナンシーのお兄さんが、息子に怪我をさせてしまい申し訳ないと、わざわざ、ゴマ用のボーン(骨の形をした、噛むおもちゃ)を持って来てくれました。

別に息子が噛まれたわけでもないのに、なんだか悪いですね〜。しかも今回は、ゴマがリベンジに成功して、ライバル犬が耳から流血。ゴマは、まったくの無傷でした。

ということで、息子が膝を擦りむいたのは余分でしたが、私はゴマが喧嘩に勝ったのが、妙に嬉しかった。これも一種の親バカなんでしょうか。



2021年5月24日月曜日

言うこと聞かない大工さん

 もう先週の話ですが、ゲストハウスのゲートに塗装したベニヤ板を貼りました。お願いしたのは、以前に竹製のブラインドを、フェンスに取り付けてもらった大工さん。メイドのライラおばさんの親戚で、姪っ子の旦那さん。

実は、竹ブラインドの時に、ゲートにもそれを使うつもりで、取り付けまでやってもらったところ、重すぎてゲートのヒンジ部分の溶接が剥がれてしまい、ちゃんと閉まらなくなってしまいました。

仕方がないので、ゲート用に準備したブラインドは、他のフェンスに持って行って、ゲートは開放的なまま。プライバシーを守る上では、片手落ちの中途半端な状態。その後、溶接機を借りる段取りをして、別の大工さんにヒンジの修理をしてもらうのに、1ヶ月。

そこから、今度は、厚さ3mmぐらいの軽いベニヤの貼り付けることにして、またライラ経由で頼んだところが、このコロナ禍にあっても数少ない活況の建築業界。週末に来る来ると言いながら、何回もすっぽかされて、さらに1ヶ月。ようやく作業にかかったのが、先週の日曜日でした。

さて、この大工さん。腕前がすごくいいというわけではないけれど、単純作業は指示の通りに黙々とこなすのが取り柄。私も過剰に期待はせず、間違いなくできることだけをお願いしておりました。

今回も仕事自体は難しくもなく、ベニヤ板を決まったサイズにノコギリで切り、それに両面塗装して、針金で固定するだけ。たったこれだけのことながら、フィリピンの大工さんや職人さんがやらかすのが、順番を考えないこと。

普通に考えたら、ベニヤ板を塗装して乾燥させてから取り付けると思いますよね。その方が作業しやすいし、仕上がりもきれい。ところが、家を建てた時には、内装のモールや扉枠、階段の手摺など、なぜか塗装の必要な部材を、塗装せずに先に取り付けちゃうんですよ。

これは塗装が、大工さんとは別の職人さんが担当だから、というのもあるんでしょうけど、塗装屋さんが実に作業しにくそうで、別々にやれば必要のない、マスキングの手間もかかる。何より仕上げが実にみっともなくて、塗装の境界線がガッタガタ。

そうならないように、「塗装してから取り付けてね」と事前に3回も言ったのに、ふと気がつくと、塗装なしで門扉へ。私は大工さんに腹を立てることって、滅多にありませんけど、ここまで完璧に言いつけを無視されたら、さすがにムカつきました。

それでも、できるだけ言葉を荒げず、全部外して、塗装するように厳命。「今日中に終わりませんよ」と他人事のように言い返してくるので、「取り付けは自分でやるから、さっさと塗装してくれ」と言い渡しました。

最初から早めに塗装しておけば、天気もよくて暑い日だったから、夕方までには終わったと思うですけどね。まぁいいか。

というわけで日を改めて、残りを自分でやりました。ただ、真夏のフィリピン・ネグロス島。炎天下に無理したら、熱中症でぶっ倒れかねないので、少しだけライラに手伝ってもらい、比較的日差しの弱い、朝夕に分けて少しづつ。

慣れない作業で、着ていたTシャツを絞ったら汗がしたたるほど。結局1日では終わらず、その翌日の午前中までかかって、ようやく終了。あ〜くたびれた。


出来栄えは、素人仕事にしては悪くない。ライラが妙に気に入って、自分の家でもないのに、外からしげしげとゲートを眺めて「グッド・ルッキング」とにやにや。結果オーライということで、これで良しとしましょう。



2021年5月20日木曜日

遂に地方都市シライで接種開始

 いやぁ〜、コロナ禍関連の投稿にもかかわらず、今回は、何だか明るい気分になってます。昨日(2021年5月19日)私の70代の義父が、新型コロナウイルスのワクチン接種の一回目を済ませました。しかも、アストラゼネカ製ワクチン。

ルソンやセブ、ミンダナオなどの、人口が百万〜千万人単位の大都市を有する主要部ではないネグロス島。ずっと僻んで、一般市民にワクチンが回ってくるは、いつになるか分からないと投稿し続けていました。

実は西ネグロスの州都、50万都市のバコロドでは、もう数週間前から、医療関係者や60歳以上の高齢者を対象とした接種が、始まっていました。それがここ数日で、人口12万人の田舎街シライにまで、順番が回ってきたという次第。

少しだけネグロス島民の名誉のために弁解しておきますと、地方と言っても、サイズではフィリピン国内第4位の面積と、440万以上の人口を誇るネグロス。東西ネグロスの2州から成り、それぞれの州都バコロド、ドゥマゲテに空港があります。現在、島内第3のカバンカラン空港も整備中。

それはさて置き、ワクチン接種。マニラ首都圏では、ネット経由で登録できるそうですが、さすがにシライでは無理な人の方が多い。そこは地縁血縁で強く結びついた地方の強みで、各バランガイ(最小行政単位)が把握している住民の職業や年齢に基づいて、職員が個別に声掛けをして回ってます。

フィリピン国民だけに限っているわけではなく、家内によると、国籍関係なく住民登録していれば、ちゃんと順番は回ってくるとのこと。だから、バランガイの職員が来ても、追い返しちゃダメと、釘を刺されました。

親戚の高齢者では、すでに義妹のお父さんが中国製のシノバックを接種済み。バコロド在住の叔母は、今回がシノバックだったので、ファイザー製が供給されるまで待っているらしい。ちなみに、ワクチンの種類は事前に教えてくれても、選ぶことはできないシステム。選り好みするなら、待つしかない。

シライでの接種場所は、市街地の中心部にある公設の体育館。通常は、各種のスポーツやダンス大会、公立学校の卒業式などに使われていて、地元では「ジム」と呼ばれている建物。冷房完備で、最近発電機も設置され、まさにワクチンの集団接種に最適な環境。

ちなみに家内はまだシニア(60歳以上)ではないものの、公的機関であるフィリピン教育省勤務なので、高齢者の次に接種できます。まだ日本ほどのワクチン供給量ではなさそうで、何ヶ月も先の見通しは立ちませんが、私の予想よりは、だいぶ早い。

世界的に見ると、すでに人口約3億3千万人のアメリカで、累計接種回数が2億7千万回以上(2021年5月20日現在)。聞くところによると、ニューヨークでは接種に予約の必要もなく、誰でもいつでも街中の接種会場でワクチンを打てる状況になっている。

つまり今後は、ワクチン供給量が潤沢になっていって、欧米製ワクチンを待ったとしても、年内には私も、接種できそうな感じになってきました。まぁ、いちいち目先の情報で一喜一憂するのも、どうかと思いますが。

ということで、まだまだ我慢は必要ながら、顔を知っている人たちが接種を済ませたと聞くと、希望の光にも手が届きそうです。


2021年5月19日水曜日

私的フィリピン美女図鑑 再々描画のマッチョ美女

 フィリピン・ネグロス島に移住して、4年が経った頃の2017年7月から、このブログへの投稿を始めた美女イラスト。そこからさらに4年で、ネグロス暮らしの半分は、イラストを描いて過ごしたことに。

それまで絵を描いたことが無いわけではなく、芸大・美術学部の卒業生なので、入試のためにデッサン、色彩構成、立体構成などの実技は一通りやってます。今でこそ入試の倍率は3〜4倍程度(それでも十分難関ですが)の、この大学。1980年代当時は、軽く10倍を超えてました。

入るのが難しい大学を卒業した割に、あまり大したことのない企業内デザイナー稼業。有名になるわけでもなく、人が羨むような地位にも就かず、50歳でリタイアしちゃいました。

ただ、若い頃に没頭して身に付けた技術というのは、そう簡単に身体が忘れないものらしく、30年近くのブランクも何のその。今度は締め切りも採点もなく、自由に描くことの楽しみを謳歌している次第。

そういう経緯で描いているイラストながら、作品の仕上がりはやっぱり気になる。別にいまさら、一流の芸術作品を目指しているわけではないけれど、4年も続けていると、それなりの技術的な進歩はあります。自身の評価も、4年前に比べればハードルは上がりました。

なので、描き始めの頃のイラストが、最近とても気になる。今ならこうは描かないとか、全然描き込みが足りないなぁとか...。大ヒットして何年も続いたコミックで、最初の頃とタッチが変わってしまい、登場人物の顔が別人に見えたりすることがありますよね。例えるならば、そういう感じかも知れません。

とまぁ、そこまで大層な話でもなく、昔描いた絵が稚拙に見えて仕方がないだけ。そして以前にも書いたように、手描きではなく、フルデジタル描画なので、その気になれば修正は、それほど難しくはありません。すでに何回かやったことはあります。

問題は、動機付け。一度最後まで付き合って曲がりなりにも完成させたイラストって、ある意味、思いを遂げちゃってるんですよ。特に描いている対象が人物、しかも女性ばかり。他の人はどうか分かりませんが、私の場合、一種の疑似恋愛みたいに感情移入して描いております。

気に入らないから即、描き直し...には中々ならなくて、どこをどう直すか、どういうアプローチで行くかを、ある程度、頭の中でシミュレーションして、気分を高める必要があります。我ながら面倒ですけど。

ということで、今回、再描画しようと思い立ったのは、この美女図鑑シリーズの最初の頃に描いて、一度描き直しているマッチョ美女「マイティ・フィリピーナ」。三回目なので再々描画ですね。

前作は、全体的に活気が感じられず、人物の顔が妙に老けて見える。背景も手抜き丸わかり。多少の手直し程度では、改善ができないと判断して、ポーズはそのまま全面リドロー。


さらに今回は、2年目に突入したコロナ禍の真っ最中。筋肉隆々の美女なので、いっそ女神っぽい神々しさを加えて、コロナ退散の願いを込めました。パンデミックからフィリピンを救う、我らがスーパー・ヒーロー登場、というわけです。

そんなこんなで、結局、丸々新作を描くのと同じように、二週間かかりました。


過去の「私的フィリピン美女図鑑」は、こちら。

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2021年5月17日月曜日

何となく平穏な日々

 相変わらずのコロナ禍です。フィリピン・ネグロス島の、私の住む人口12万人の地方都市シライ市では、ここ半年ほど10〜20人程度で推移していた新規感染者数が、今月(2021年5月)前半で一気に200名にまで急増。

先日は、家内の職場で重篤患者が発生して、とうとう亡くなったという投稿をした矢先、今度は、二軒向こうのお隣さんが発症して緊急搬送。アメリカ人男性と結婚し、数年前にその夫に先立たれた、70代かひょっとすると80代になろうかというおばあさん。自宅で倒れて、救急車で運ばれたと聞いてから、僅か数日で死亡の知らせが。

この人の孫娘が、私の子供と同じ学校に通う同級生。この子は、我が家に遊びに来たこともあるし、当のおばあさんは、旦那さんの葬儀の際に会っています。不幸中の幸いで、このお孫さんを含めて、他の家族は大丈夫だったものの、何だか新型コロナウイルスが、身近にひたひたと迫っているよう。

ただ、時々街中に出かけた感じでは、パニックになったり、騒然としたり、とはならなくて、誰もが粛々とマスクとフェイス・フィールドを着用して、日常生活を営んでいるように見えます。ちょうど一年前の、厳格なロックダウンが施行されていた時期に比べると、良くも悪くも、コロナ共存に慣れたんでしょう。

感染者数が200と書きましたが、これは西ネグロスの州政府の発表。ところがシライ市役所が発表する数字は、これより40〜50人は少ない。こういうところがフィリピンらしい大雑把さで、家内も家庭教師のアンも「へぇ〜そうなの?」ぐらいの反応。ありがたいことに、その数字は、両方ともピークアウトしてきました。

さて、フィリピンでのその後のワクチン接種状況について。日経新聞の「世界の接種状況」によると、2021年5月17日現在で、100人当たりの接種回数が2.7回で、総数が約300万回。日本の、100人当たり4.8回、総数約611万回のほぼ半分。

ちなみに日本に住む、私の80代の両親も予約ができて、来月には第一回目の接種ができる模様。ネグロスでは、まだ何のアナウンスもないのに比べると、あれだけ理不尽なマスコミの叩き方にもかかわらず、日本の医療関係者の方々は、本当によくやってると思います。

呆れ返ったのは、この緊急時なのに、二重予約を防げないことが大問題のように書き立てる新聞があること。二重予約でキャンセルが出たら、周囲にいる未接種の人に打てばいいでしょう。それより接種を大規模に行う方がよっぽど大事。昔見た映画「七人の侍」のセリフを思い出していまいました。「首が飛ぶって時に、髭の心配してどうすんだっ?」

ということで、アホなマスコミがこれ以上足を引っ張らなければ、8月以降には事態が沈静化する可能性も出てきた日本。それに対して、まだまだ先の見えないフィリピン・ネグロス島ですが、ロックダウンはどうやら回避された模様。

マニラ首都圏では、この週末から検疫体制が一段緩和されました。さらに明るい話題もあって、フィリピン政府がファイザー社と、ワクチン4,000万回分供給の契約を締結したそうです。

役所や銀行窓口で何時間も待たされても、黙々と耐える人が多いフィリピン。その国民性の発露なのか、少なくとも私の周囲では、何となく平穏な日々が続いております。



2021年5月15日土曜日

日本のワクチン報道

 ここ最近ネット上で、ひどいなぁと思って見ているのが、新型コロナのワクチンに関する日本の報道。各国でワクチン開発の目処が立ち始めた頃には、健康リスクを過剰に煽ったかと思ったら、アメリカやイギリスで接種が進むと、今度はワクチン供給が遅れているのは、日本政府がダメだからと叩きまくる。

特にこの半月ほどは、接種キャンセルのため、現場判断でワクチンを廃棄したことを糾弾する一方、無駄にしないために予約外で接種した人が、年齢や持病の有無で対象外だったと問題視。あるいは、予約が取りにくい状況を、やれ不公平だと必要以上に騒ぐ。

担当の国務大臣が、現場の判断で臨機応変にと指示し、コンサートのチケットと違い、売り切れることはないから焦らないでと言っているのに、日本のマスコミは、もう、誰でも何でもいいから、ただ批判して焦燥感を煽り、売り上げやPVを伸ばしたいだけなんですね。

私の場合、もうだいぶ以前から、大手の新聞社からの報道を含めて、大抵の記事(特にセンセーショナルな)は鵜呑みにしないよう心がけています。同じ事について書いていても、必ず何社かのサイトをチェックし、内容によっては、信頼に足る専門家のツィートやブログも参考に。

私が信頼に足ると思う基準は、「軽はずみに断言しない」「言い切る時は、明確な根拠を示す」「状況証拠だけの陰謀論とは無縁」「それぞれの分野で、実績がある」というような人々。さらには、徒らに感情を刺激するような言葉を使ったり、特定の個人を実名で貶めるような人は、まず信用しません。

新型コロナのワクチン関係なら、ざっと10名程度の医師や、研究者の方々をフォローして、納得できる情報だけを信じるというやり方。とても面倒ですが、日頃から自分の頭で考えて判断する癖をつけておかないと、一つだけの記事を盲信したら、陰謀論やデマに引っかからないとも限らない。

実際、フィリピン在留邦人の中にも、何かしらの陰謀やデマを信じ込んでいる人が、かなりいるようです。特に私と同世代の50〜60代。嫌韓・嫌中から始まって、福島の原発事故関連、極端な自然食品礼讃、古典的なところではフリーメイソンの陰謀論などなど。

一旦「あっち側」に行っちゃったら、悪質な新興宗教の信者みたいなもので、理屈が通じなくなります。議論のしようがないので、SNSならフォロー解除かブロックするしかありません。

話を報道に戻すと、そもそも私は、完全に中立な報道なんて幻想だと思っております。昔、何かの論説で読んだのは、日本の新聞で一番分かりやすいのは(正確かどうかは別にして)日本共産党の機関紙「赤旗」。なぜならば、どういう視点で記事が書かれているか、とてもはっきりしているから。

頻繁に文章を書いている人には分かると思いますが、どんなに厳正中立を意識しても、それまでの考え方や、影響を受けた思想・宗教、書き手の立場などを、まったく出さずに書くなんて、ほぼ不可能。もし無理に書いたら、無味乾燥な事実の羅列になって、少なくも、読んで面白いもの、興味を引かれる文章にはならない。

分かりやすい例が、昨年のアメリカ大統領選挙に際してのCNNの姿勢。何人かの日本のライターは、あからさまに反トランプなCNNを「偏向報道」と呼びました。でもこれって、私にすれば、実に正しいジャーナリズム。自らの視点・論点を明確にして、首尾一貫した報道を続けたから。

それに対して、トランプ応援団に徹したフォックステレビ。視聴者は、両方を見て、自分で判断する選択肢があったわけです。同じ番組、同じ記事で「両論併記」なんて、かったるいことは言わない。結論の出てない学術論争ならばまだしも、選挙という必ず黒白がつく事柄に関しては、中途半端な報道は、有権者の役に立たない。

マスメディアが、立法・行政・司法の三権に次ぐ、第四の権力と言われるのも、今回のCNNを見ていると、よく分かります。これに匹敵する日本のジャーナリストと言うと、かつて田中角栄を政権の座から引きずり下ろした、立花隆さんぐらいでしょうか。

2021年5月現在で、世界中で取り組まれている大規模なワクチン接種。おそらく人類史上初の試みと言ってもいいでしょう。ハリウッド映画ならば、ここから人類の反撃とばかりに、勇壮な音楽が流れて、主人公たちが意気揚々と活躍する場面。

そりゃ、誰もやったことない事をリハなしのぶっつけ本番なんだから、最初はシステムが上手く運用できなかったり、現場での手違い、試行錯誤は当然あります。こんな短期間に100万人単位のワクチン接種って、少なくとも私は聞いたことがない。

なのに、日本のマスコミは、おそよ国益に反するような、現場の足を引っ張り、国民の不安を煽ってワクチン接種を躊躇わせるような報道をしている。ちょっと政権批判をしただけで「反日」のレッテル貼りをする人がいますが、それを言うなら、こっちの方が紛れもない反日活動。

視点・論点をはっきりという意味で、「私たちは、ワクチン接種に反対している。その根拠は...。」という具合に、反ワクチンを標榜して報道するなら分かりますが、中立公正を謳いながら、読者を混乱させてミスリードするのは、そろそろやめてほしいものです。



2021年5月11日火曜日

歯磨きは、ぜんぶコルゲート

フィリピンも日本も、ネットやテレビで流れてくるのは、聞くだけで疲れてしまうような話題ばかり。なので今日は、少し息抜きできるような、どうでもいい事について。

まだフィリピンに関わり始めて、気持ちが新鮮な頃には、よく気がついて面白がっていたのは、本来、会社やブランドの名称が、あまりに売れたもんだから、いつの間にか商品カテゴリー全体の呼び名になってしまう現象。

日本でもよくありますよね。例えばマジックインキ。これなんか、あまりにも広まり過ぎて、英語で話す時にもつい「マジック」って言ってしまうぐらい。もちろんフィリピンでは通じません。文具店で買うなら、マーカーか、マーカー・ペンと言わないと、店員さんの顔が「?」になります。

ところが面白いことに、フィリピンでもマーカーは、ブランド名がよく使われていて、「ぺんてる」で通じます。はい、ボールペンやシャーペンでお馴染みの日本の会社。この間、イロンゴ語のレッスンで使う、ホワイトボード用マーカー購入時に、「ぺんてるですね?」と言われて渡されたのが、パイロット(これも日本企業)のマーカー。もうなんだか、訳が分かりません。

文具関連では、子供がお絵描きで使うクレヨンが、クレヨラ(Crayola)と呼ばれているらしい。確かに、ナショナル・ブックストア(フィリピン大手の書店・文具店)で、あの黄色いパッケージはよく見ます。

そして何と言っても代表的なのはコルゲート。どっちかと言うと日本での歯磨き粉や歯ブラシは、ライオンのイメージが強いけれど、フィリピンでは圧倒的にコルゲートの認知度が高い。お店での印象だと、半分かそれ以上がコルゲートなんじゃないかと思うぐらい。

その他には、ダウニーというブランドが、洗濯用柔軟剤の総称に。日本でも売ってるみたいですが、私は知りませんでした。フィリピン人の好みがそうなのか、洗剤だけでも香りが強過ぎで、ちょっと使う気が起こらない。

続いて生活衛生関連では、台所洗剤のジョイや、紙おむつのパンパース。恥しながら私は、紙おむつの正式な英語がパンパースだと、かなり最近まで思い込んでおりました。

ちなみにバンドエイドは、フィリピンでも絆創膏と同義。絆創膏って英語ではプラスター(plaster)と言いますが、移住してからその言葉を使った記憶がないですね。

ちょっとびっくりしたのが、クノール。私が料理でよく使うブイヨンとかコンソメの類いで、あの茶色い小さなブロック状の調味料。こっちでも普通に売ってるので、メイドのライラおばさんにお使いを頼もうとしたら、ブイヨンもコンソメも全然分からない。仕方がないので、残っていた現物を見せたら「お〜、クノール!」。


車では、トヨタのハイエースが、ワンボックスのワゴンやマイクロバスだったり、中〜小型トラックは全部キャンター(三菱ふそう)。日産のハイエースなんて具合に使われます。ベトナムで、カワサキだろうがスズキだろうが、何でもホンダになっちゃうのに近い。

ということでそれ以外にも、炭酸入りの清涼飲料水がコカ・コーラとか、インスタントコーヒーがネスカフェ(ネッスル)だったり。コーヒーに入れるクリームは、同じくネッスル製品のコーヒー・メイト。



探せばもっとありそうですね。



2021年5月8日土曜日

コロナ禍でのフィリピンの医療格差


シライ市内にある公立病院

ここ数日で、コロナ関連の動きがいろいろありました。フィリピン全体に関わるニュースや、ここネグロス島、そして私の住むシライ市内で見聞きした話をまとめてみます。

まず、やや明るい話題から。ずっとこのブログでこき下ろし続けてきた、中国製のワクチンのひとつ、シノファームの臨床試験結果が報告され、それによると効果は78%とのこと。一応WHO(世界保健機構)も、緊急使用リストに加えたし、フィリピンでも利用許可の申請中です。

ただ、ややこしいのは、ドゥテルテ大統領が何を思ったのか、まだ正式な許可が出てないシニファームのワクチンを、フライングで接種していまい、批判の集中砲火で大炎上。それでなくても、領土問題で大揉めしてる中国絡み。結局ドゥテルテさんは謝罪の上、すでに中国から寄贈されていた同ワクチン1,000回分を、叩き返すと発言。

まぁ、感情的には分からないでもないけれど、そんな子供っぽいことやってる場合じゃないでしょうに。国内でのコロナ感染者が100万人を超え、死者が1万8千人以上の大惨事(2021年5月7日現在)。ファイザーやアストラゼネカのワクチンに比べて見劣りしても、使えるものは何でも使わないと。

そして、我がシライ市を含む西ネグロス州の感染状況は、また一段と悪化し、州全体での陽性者数は2,000人以上で推移し、シライ市内では134人。(2021年5月8日現在)。数日前は168人だったので、ピークは過ぎたかも知れませんが、ここ半年以上10人前後で安定していたことを考えると、暗澹たる気分になります。

これは飽くまで素人考えですが、インドで猛威を振るっている、感染力が高いと言われる変異株なのでしょうか。とは言え、私は専門家でも医療関係者でもないので、今まで通り、できるだけ外出を控え、マスクの着用、手洗いの徹底を続けるしかありません。

この状況を受けて、西ネグロスのラクソン州知事は、昨年以来2回目となる、厳格なロックダウンの検討に入ったと噂されています。ここまでヤバいと、責任者としてはそう考えるでしょうね。

それにしても、我が家のメイド、ライラおばさんを始め、日銭稼ぎの人たちはロックダウのその日から収入がなくなります。もう、生活困窮者に食料を配布するだけの、財政的な体力が各自治体に残っているのか、すごく不安。

ところで、先日コロナで亡くなった、家内の職場の同僚(女性)。その最期の様子が、病院で同室だったという人から漏れ聞こえてきました。驚くことに、感染を恐れた医師や看護師が、ほとんど放置していたらしい。誰にも看取られず、トイレに行こうとしてベッドから出たところで倒れ、そのまま絶命。その無念たるや、察するに余りあります。

彼女が入院していたのは公立病院。これはコロナ禍で始まったことではなく、フィリピンでは費用の高い私立と安い公立で、露骨なまでに患者の扱いに格差があります。報酬が低いから、医療関係者の質も悪い。残念ながら、これがフィリピンの現実。

ちなみに、4月28日付けの在フィリピン日本大使館からお知らせがありました。医療施設の逼迫を理由に、帰国できる人は、早く帰国した方が良いと読み取れるような書き方。ほとんど避難勧告のような内容。確かに、ネグロスよりさらに事態が深刻なマニラ首都圏なら、陽性になっても入院は困難。もし重篤化したら一巻の終わりになりかねません。

ネット上では、富裕層を対象に、ワクチン目的で海外渡航する「ワクチン・ツーリズム」なんて言葉が登場。日本でも、まだ時期は未定としながらも、在外邦人が一時帰国してワクチン接種ができるよう、準備を始めたとの話も。これは冗談でなく、本気で考えるべき段階に入ったようです。



2021年5月6日木曜日

過激な歌詞

 歌は聴くのも歌うのも大好きで、ノーミュージック・ノーライフを地で行ってる感じの私です。好んで聴くジャンルの幅も結構広く、ビルボードのヒットチャート上位に来るような曲は普通に聴いていて、最近だと、アリアナ・グランデにリアーナ、テイラー・スウィフトなど。家内に「何を若造りしてるの?」みたいなことを言われてます。

日本の楽曲だと、ユーチューブで話題になるような、「うっせいわ」とか、あいみょんさんの曲、あるいはアニメの主題歌など、多少は知ってますが、アメリカのヒット曲に比べると、新しいものは、きわめて手薄。唯一カラオケのレパートリーに入ってるのは、あいみょんさんが書いて、DISHが歌った「」ぐらい。

一時、日本のFMがネット経由で聴けると知って、イラスト描きやブログ執筆時に鳴らしてましたが、変にラップみたいな歌い方をする、日本語の曲が耳障りになって、ここ1ヶ月ぐらいは、すっかりご無沙汰。

やっぱり日本語は、ラップに向いてないと思うけどなぁ。日常会話では使わないような漢語を体言止めにして、無理矢理韻を踏むもんだから、「何、ケッタイなこと言うてんねん」としか感じられない。メロディの印象が残らない曲は、私のように昭和の後半に青春を過ごしたオっさんにすると、少々厳しい。

それ以外では、中学生時代から延々と、レコード、カセット、CDでコレクションした楽曲の数々。ユーミンのデビューアルバムの「ひこうき雲」から始まって、中島みゆき、谷山浩子、イルカ、山下達郎、YMO...。1990年代の後半ぐらいにフィリピンにハマってからは、ドナ・クルーズ、リー・サロンガ、ロッセル・ナヴァ等々。

実はクラシックもかなり好きで、ベートーベン、モーツァルトのような超スタンダードはもちろん、フランスの近代作曲家、ドビュッシー、ラベル、サティのピアノ曲も時々聴いてます。ただし、家内はあまり好きではなくて、特に声楽曲をカーオーディオを聴かせたら、露骨に機嫌が悪くなる。

このすべてが、脈絡もなくiPhoneに全部入っているわけです。今の若い人には、ストリーミングでいつでも聴けるのに、無駄にメモリーを消費しているだけだと言われそう。

でも、音楽体験の振り出しがLPレコードの世代にすれば、「手元に置いてある感じ」がとても大切。さすがに全部CDで購入して棚に並べようとは、もう思いませんが、10曲程度がワンセットになった、アルバムスタイルからは離れられません。ユーチューブでバラバラにダウンロードした楽曲でも、わざわざ1時間ぐらいのプレイリストにして、お揃いのジャケット写真を貼り付けてるぐらい。

とまぁ、個人の音楽の聴き方に長々とお付き合いいただいて恐縮です。ここからが本題。

冒頭に書いた、アリアナ・グランデやリアーナの曲の歌詞。全部がそうというわけでもないけれど、中にはすごく性的に露骨な内容があるんですよ。昔だって、ブロンディの「コール・ミー」(ボーカルは当時セックス・シンボルと呼ばれたデボラ・ハリー)や、ジェーン・バーキンなど、相当際どい歌詞もあったし、もう還暦間近の私の年齢なので、今更恥しがったりすることもありません。

ただ、そういう歌を歌ったのは、見るからにセックス・アピールや反体制スタイルを前面に押し出したシンガーやバンド。例えば、「セックス・ピストルズ」とか「プッシーキャット・ドールズ」みたいに、名前からしてそのまんま。

ところが、特にアリアナ・グランデなんて、決してキワモノではない、メインストリームのヒットメーカー。見た目もキュート。どちらかと言うと、男性ファンのアイドルというより、若い女性のオピニオン・リーダー的な存在。そんな彼女が「Fxxk me 'till the daylight ?」(朝まで私をヤってくれる?)みたいな歌詞を、サラっと歌っちゃう時代。(34+35

少し前にも、アリアナ・グランデの「Bang Bang」について、このブログでも取り上げましたが、フィリピンでも人気のアリアナ。当然、私の家庭教師であるアン嬢を始めとして、若い女の子も、普通に聴いています。

というか、英語が分かるから、日本人よりもっとダイレクトに意味を理解しているはず。それでも、特別騒いだり、拒否反応を示すことはありません。

これって、女性でも性欲はあるし、好きな相手ならセックスもするという、ごく当たり前のことが歌えるようになったのと、放送コードが厳しい、ラジオ・テレビ放送に頼らなくても、直接ネットで、楽曲を届けられるようになったからでしょうね。

いずれにせよ、インターネットのおかげで、フィリピン移住後も日本にいた頃とまったく変わらない、あるいはそれ以上に充実した、音楽生活を送っております。一年以上も続くコロナ禍にあっては、本当にありがたい限り。



2021年5月4日火曜日

凧やヤモリが電気を止める

このブログでは、定番となった停電ネタ。以前からご愛読いただいている奇特な方々には、もう耳タコかも知れませんが、相変わらず停電の多い、ここフィリピン・ネグロス島。

数ヶ月も調子が良くて、停電のことなど忘れた頃に、急に頻発を繰り返し。ちょうどここ数週間ぐらいがピークのようで、何日も連続だったり、1日に2度3度と起こったり。今日(2021年5月4日)も、午前中と午後、それぞれ1時間ぐらい電気が止まりました。

洪水や強風、落雷などの自然災害が原因なら、ある程度は仕方がない。日本だって、そういう時は停電します。でも、私が記憶する限り、阪神淡路大震災級の地震でもない限り、1時間以上も送電が復旧しないなんて、滅多になかった。

近年、マニラ首都圏では、めっきり停電は減ったそうですが、1980年代には、連日8時間なんてこともあったらしい。これは、シンプルに発電量に対して使用量が多過ぎだったんだそうです。なので、節電のための計画停電で、事故で電気が止まる「ブラック・アウト」と区別するために「ブラウン・アウト」。

この呼称が定着したのか、今でもフィリピンでは、突発の停電も計画停電も、ぜんぶブラウンアウトと呼ばれています。初めてネグロスに来た時には、何のことなのかよく分かりませんでした。

そんなお国柄なので、さぞや発電事情は遅れているんだろうと思いきや、全土で見れば、大規模な太陽光発電所の建設が計画されていたり、お隣のギマラス島には、風力発電施設がすでに稼働中。私の住むシライ市内にも規模はさほどでもないながら、太陽光発電所はあります。

新しい物が好きで、今流行りの「脱・化石燃料」「サスティナブル(継続可能)」な、エネルギーに注力するのはいいけれど、電力サービスの基本中の基本である「安定供給」は、どうなってるんでしょうか?

最近は、フェイスブック上にある電力会社のホームページに、停電の情報が投稿されるようになりました。それによると、何処そこの送電線や変電施設の不具合で、自動的に送電が停止したとか、手動で止めたとか。稀に大規模なシステム障害で、隣島のパナイにまで及ぶ、広域停電なんてことも。

そこから察するに、どうやらメンテナンス不足や、部品の老朽化が主な原因らしい。これで電気代が安ければ、文句も言えないんですけど、暑くてアエコンを使い始めると、月の電気代が10,000円近くになることもあります。物価も人件費も日本に比べたら格安のネグロスなのに、日本とあんまり変わらない。

その上、数ヶ月に一度は、12時間も電気を止めての修理・点検もしている。日本の電力会社と比較するのは、あまり意味がないにしても、普通は、送電したままでしませんか?

さらに驚くのは、ヤモリが送電線に触れてショートしたとか、今日など、誰かが墓地で凧揚げしてて、それが引っ掛かったのが原因だとか。以前にも投稿したように、電柱の下で焚き火して燃え移ったなんてのもありましたね。この間は、工事中のクレーンが誤って電柱を倒してしまう事故も。

とにかく、ちょっと想像もできないことが、停電の原因になるフィリピンの地方都市。これから、移住して家を建てようという方は、発電機の設置を、強く強くお勧めする次第です。ほんとに、日中の暑い盛りに扇風機も使えないのが数時間って、ほとんど拷問ですからね。



2021年5月2日日曜日

私的フィリピン美女図鑑 モレーナのガビー

 4月〜5月は、フィリピンの盛夏。4月前半は、時ならぬ台風が接近したり、その影響で丸一週間も曇り空だったりしましたが、ここ最近は、完璧なまでに熱帯の好天続き。連日の30度越えはもちろん、昨日(2021年5月1日)など、体感温度が41度にまで上昇で、ちょっとバテ気味。

こうなると、どうしてもブログの投稿が滞りがちです。ましてや、根気と集中力が必要なイラスト描きともなると尚更。そんな減退しまくりの「やる気」をビシビシしばき倒して、今日やっと、美女図鑑の新作が完成しました。(以上、言い訳終わり)

さて今回は、3月初旬から描き続けてきた、細密描写シリーズの最終回。五人目のモデルはフィリピンの有名女優、ガビー・ガルシア嬢です。

実は、最初のジュリア・バレットの除くと、3人続けてメスティーサ(混血の女性)がモデル。フィリピンの場合、この地住んでいたマレー系の人たちに、インドや中国、スペインの血が渾然一体と混じり合って出来上がった国民なので、純粋な〇〇人とか、混血という言葉に、あんまり意味はないけれど、両親のどちらかが外国人の場合は、メスティーソ、メスティーサと呼ばれます。

まぁこれは、日本だって同じようなものですけどね。

それに対して、ネイティブのフィリピン人は、肌の色が浅黒いことから、モレーノ・モレーナ(スペイン語で「褐色」)と言うことがあります。これは決して悪い意味ではなく、人の名前にも使われるぐらい。昔、日本で活躍したフィリピンのタレントで、ルビー・モレノさんがいましたね。また、現マニラ市長は、男前のイスコ・モレーノ氏。

ということで選んだのが、美人モレーナのガビー・ガルシアというわけです。

ガビーは、まだ22歳。女優だけでなく歌手としても知られていて、清純なイメージと親しみやすさから、ミス・ユニバース出場者とは、また違う人気のようです。隣のお姉さん的な感じとでも言いましょうか。

ただ、私がたまたま見たことのあるガビーの写真って、きっちりメイクしてカメラの前で艶然と微笑む、みたいなのが多かったので、そんなに若いとは知りませんでした。なので、このイラストもかなりセクシーな方向に振れております。


モレーナということで、肌色は少しだけ褐色にして、唇は思い切って濡れるような赤。そして背景は黄色系。はい、これで5連作の、赤・青・紫・緑・黄が揃ってゴレンジャー。この連作では、着衣は無しで髪飾りの花だけ。顔だけでなく、手の表情も描いてみようと試してみました。

ちなみに、フェイスブックでも友達限定で公開したところ、特にフィリピン女性から好評をいただきました。しばらく間を置いて、また有名女優やタレントさんのシリーズを描いてみようかと思っております。


過去の「私的フィリピン美女図鑑」は、こちら。

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