2年前、居間で使っていた東芝製50インチのテレビが、突如として「プツン」とお亡くなりになって、それまで寝室に置いていた43インチのソニー・ブラビアが居間へお引越し。買ったのはソニーの方が先で、その時ですでに6年目。東芝のは4年ぐらいしか持たなかったことになります。何だか、作った会社がすっかりダメになったのと連動しているみたいで、寂しい限り。
ちなみに私、日本にいた頃はパナソニックでテレビ開発に携わっておりまして、本当ならP社の製品を選びたかったのですが、どうやらフィリピン市場は諦めちゃったらしく、ここネグロスでは、P社テレビが見つからなかった。
ただし、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの白物では頑張っているパナソニック。扇風機の販売では、ひょっとするとフィリピン唯一の日系メーカーかも知れません。なのでテレビ以外の家電は、極力Pで揃えている我が家です。
それはともかく、寝室にテレビがないのは不便なので、同じブラビアブランドの、やや小さめ36インチを購入。小さめなんて書きましたけど、私がテレビを担当していた1990年代は、まだブラウン管が主流。メインテレビは32インチで、36インチなんてかなりの高級品。1インチ1万円の時代ですから。
それが20年後のフィリピンでは、価格は確か2万ペソぐらい。せいぜい5万円足らず。購入先のSMバコロドの量販店で一番目立つところに置かれているのは、韓国や中国のブランド。電気店と言えば、一時は日本メーカーの独壇場だったのに、時は流れたんですねぇ。
その中にあって、一人、気を吐くジャパン・ブランドのソニー。もうメイド・イン・ジャパンは謳えなくても「ジャパン・クオリティ」は、まだ何とか価値があるようです。私にすれば、かつて最強のライバルだった会社の製品を、続けて愛用するとは想像もしませんでした。
そして去年から始まった、コロナ禍。フィリピンでは日本以上に外出規制が厳しく、一年前には、ここネグロス島のシライでも、ロックダウン(都市封鎖)を経験。中学生の息子は丸一年以上登校できず、オンライン授業。自然と家族全員が家にいる時間が長くなり、ネットフリックスに加入したのが、この時期でした。
そうなると俄然注目を浴びたのが、36インチテレビ。リモコンには当然のように「Netflix」「YouTube」のボタンが並び、Wifiにつなげば、すぐに視聴できる。こんなことなら、36インチじゃなくて、43インチにすればよかった。残念ながら、移住直後に買った43インチは、まだスマートTVではありません。
さすがに20畳以上もある居間で36インチは、ちょっと小さ過ぎ。家内など一人でテレビを見る時は、ソファとテレビの間に別の椅子を持って来る始末。仕方ないなぁ、じゃもう一台大きいのを買うか、となったのが先週のお話。
本来なら、別にテレビを買わなくても、セットトップボックスと呼ばれる、ネット経由のストリーミングサービスを受信できる、小さくて安いチューナーで事足りるはずが、なぜかネグロスの電気店やパソコン・携帯ショップでは取り扱いがない。
通信会社のグローブが、それらしきものを販売しているけれど、ネットでしか売ってなくて、かなり面倒。それだけでなく、新しいのを居間に、玉突きで古いのを私の寝室に、という算段もありました。
というわけで、買っちゃいました。値引きして2万7千ペソの、最新式43インチのブラビア。8年前のと比べると、画面周りのフレームがすごく細くなり、本当に画面だけの印象。中身はもっと様変わりして、アナログ地上波やケーブルTVより、ネット視聴が前提の「アンドロイド・TV」という名称。つまり、グーグルの下請けみたいな感じ。何より嬉しかったのは、操作言語に日本語が選べたこと。さすがグーグル、これは助かる。
しかし、衛星放送や、ネット経由のストリーミングだけなら、セッティングは簡単でも、田舎のシライは、まだ20世紀のケーブルTV。チャンネル設定がどこから入るのか分からず、息子と二人で半時間ぐらい悪戦苦闘。そんな苦労の甲斐あって、居間では以前と同じく大画面、私の寝室でもテレビでネットフリックスが楽しめるようになりました。携帯で見るよりすっと楽。
翌日ふと思いついて、しばらく使っていなかったApple TVを接続したら、何と、これでもネットフリックスが視聴できたことが発覚。うわぁ〜、なんじゃそりゃぁ〜。それなら古い43インチで、良かったんやぁ〜。