昨日(7月28日)のこと。いつものように、朝8時前、仕事に出かけた家内が、2時間ほどで帰って来ました。何があったのかと思ったら「ワクチン打つ!」とのこと。メイドのライラの時と同じく、当日の直前連絡で慌ただしいことこの上ない。
フィリピンでの新型コロナワクチンの接種は、最優先が医療従事者で、高齢者、基礎疾患のある人、それに続いて教職を含むエッセンシャルワーカーという順番。グループ1〜4という具合に分けられているそうです。
家内は教師ではないけれど、教育省勤務なのでそれに準ずる扱い。この日はネグロス島シライ市の教育省オフィスのスタッフが対象だったらしい。帰宅したと思ったら、制服から私服に着替えて、お昼も食べずにまた出て行きました。
接種会場は、もうお馴染みの市営体育館。我が家からは歩いても15分ぐらいの場所です。もちろん家内は、トライシクル(オート輪タク)に乗ったでしょうけど。
さて、ライラの時はものの1時間ほどで済んだので、ランチタイムにちょっと遅れるぐらいかと思って、家内の分の食事も用意してたのに、待てど暮らせど音沙汰無し。さすがに心配になって2時頃、携帯に電話したら「まだ、待ってま〜す」。結局、接種完了で戻ったのが夕方4時過ぎ。6時間ぐらいかかってしまった。
家内はずっと体育館で待っていたのではなく、整理券をもらってオフィスに行き、そこでお昼を食べて仕事しながら待機。会場入りして2時間ぐらい待っただけでした。まぁ、それでも十分長いですけど。
後でよ〜く話を聞いてみたら、ワクチンは中国製のシノバックではなく、アメリカの製薬会社ジョンソン&ジョンソン製。(以下J&J)。教育省スタッフだけではなく、未接種の高齢者も受け入れ。「今回は中国製じゃない!」とばかりに、ダメ元で集まった飛び入り接種希望者もかなりいたようで、会場は激混み状態。なるほど、だから半日潰れちゃったのか。
終わってすぐは「看護婦さんが注射下手くそで、痛かった。」と不機嫌な家内でしたが、J&Jワクチンだったのはラッキーでした。
J&Jの開発したワクチンは、日本で接種が進んでいるファイザー、モデルナとは違い、ウイルスベクターワクチンというタイプ。ファイザーのメッセンジャーRNAが、有効率95%なのに対し、66.9%とやや落ちるものの、接種が1回で済むのが最大の利点。
何より、中国製のワクチンは治験結果などのデータが未公表なのに対し、接種回数は比較的少ないものの、素性がはっきりしていてヨーロッパでの実績もある。加えて、近隣のインドネシアでのデルタ株の感染爆発を目の当たりにして、中国製ワクチンの効果に不安を感じる人も多い。
実際、フィリピン国内でのデルタ株感染者数は連日テレビで報道。それに伴いマニラ首都圏では、一時緩和されていた各種の規制が、8月15日からまた厳しくなります。(その後8月6日に前倒しとなりました。)
ということで、まだまだ予断を許さない状況ながら、一番の身内がワクチン接種したことで、だいぶ明るい気分になりました。やっぱり映画やドラマと違い、ある日突然状況が好転するんじゃなくて、一歩づつ階段を登るのが現実なんですね。